NYの視点:米QE縮小への思惑が続く

2013年9月21日 07:15

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記事提供元:フィスコ


*07:15JST NYの視点:米QE縮小への思惑が続く

9/17付けのシカゴIMM、投機・投資家筋のポジションで、円のネット売り持ち高は2007年以来の高水準を記録した今年5月末以来で最高となった前週から減少した。市場の売り持ち高が減少したことも、円の反落要因となったと考えられる。

■来週のポイント

米連邦準備制度理事会(FRB)が実施している量的緩和第3弾(QE3)の行方、次期FRB議長、米国の債務上限問題、中国の景気動向、ドイツ総選挙が相場材料となる。

◎米国金融政策

*FRB高官講演予定
23日:ロックハート・アトランタ連銀総裁、ダドリーNY連銀総裁、フィッシャー米ダラス連銀総裁
24日:ピアナルト米クリーブランド連銀総裁、ジョージ米カンザスシティー地区連銀総裁
26日:コチャラコタ米ミネアポリス地区連銀総裁、スタイン連邦準備制度理事会(FRB)理事、
27日:エバンス・シカゴ連銀総裁、ローゼングレン・ボストン連銀総裁、ダドリーNY連銀総裁

米連邦準備制度理事会(FRB)は17-18日に開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)で、現在実施している資産購入を予想外に現行のペースで継続することを決定したため、量的緩和第3弾(QE3)の行方に関する憶測は続く。現在のところ、半数以上のエコノミストが12月の会合でのQE縮小を予想している。QEの行方に関して、バーナンキ米FRB議長は5月に、年内に縮小を開始し、失業率が7%まで低下すると見られている2014年半ばで終了するロードマップを提示した。しかし、ここにきて、「景気・雇用の状況次第」で「カレンダーどおりにはいかない」と延べ、ロードマップどおりに緩和策の出口戦略が進まない可能性がでてきた。議長は失業率が労働市場の状況を正確に反映していない可能性にも言及した。

◎次期連邦準備制度理事会(FRB)議長

ホワイトハウスでは、2014年1月末の任期をもって退任すると見られているバーナンキ米FRB議長の後任としてイエレンFRB副議長を指名する可能性が強まった。イエレンFRB副議長が上位の上院民主党員の支持を勝ち取ったため。NO3の民主党員で上院銀行委員会のメンバーでもあるシューマー上院議員が、イエレンFRB副議長の支持にまわったと報じられた。一部の上院議員は7月26日、異例な措置としてオバマ米大統領に書簡を送付、イエレンFRB副議長を指名するよう要請した。シューマー氏はこの時点で書簡に署名しなかったが、サマーズ元米財務長官の議長候補辞退を受けてNO2のリチャード・ダービン・イリノイ州上院議員などに加わった。

◎米国債務上限問題

共和党主導の米下院は20日、12月15日まで政府機関を機能させる暫定予算案(オバマケアへの資金調達はなし)を可決した。しかし、民主党主導の上院で承認される可能性はない。オバマ大統領は債務上限問題をめぐる交渉はしない断固とした方針を示している。一方、共和党は債務上限を引き上げるかわりに歳出削減をするためにメディケイド(低所得者向け医療費補助制度)、メディケア(高齢者向け医療費補助制度)などの改革を望んでおり、交渉は暗礁に乗り上げたまま。米国政府の資金は早くて10月中旬に枯渇すると見られており、これまでに債務問題が解決しなければ政府機関は閉鎖することになる。

◎中国、ユーロ圏PMI

9/22:中国・9月HSBCマークイットフラッシュ製造業PMI:予想50.9、8月50.1
9/23:ユーロ圏・9月PMI製造業:予想51.7、8月51.4、PMIサービス業:予想51.0、8月50.7

◎独総選挙(9/22)

レースは僅差だと報じられているが、メルケル首相の続投が見込まれている。メルケル首相が率いる中道右派会派のキリスト教民主・社会同盟(同盟)が支持率40%前後で第1勢力を維持、首相が3選される公算が大きいという。ただ、先の南部バイエルン州議会選で大敗を喫した自由民主党との連立政権の継続は微妙。総選挙で自民党が議席を失うと、首相は中道左派の最大野党・社会民主党と4年ぶりの「保革大連立」を組む可能性が高いと報じられている。首相はユーロ通貨を保証する方針を示しているほか、課税者の負担を回避する将来の救済策の確立や銀行同盟を機能させることを掲げている。

*日本円
ネット・円売り持ち:-88,794(9/17)←円売り持ち:-95,066(9/10)(直近ネット円買い持ち最高水準:08年3/25+65,920、04年2/6+64499)(過去最高ネット円売り持ち高:07年6/26-188,077)

*ユーロ
ネット・ユーロ買い持ち:+31,907(9/17)←ユーロ買い持ち: +12,696(9/10)(07年5/15:+119,538過去最高買い持ち高、10年2/9-57,152過去最高の売り持ち高)

*ポンド
ネット・ポンド売り持ち:-6,310(9/17)←ポンド売り持ち:-38,166(9/10)(07年7/22:直近ネット買い持ち高最高水準+98,366)

*スイスフラン
ネット・スイスフラン買い持ち:+616(9/17)←スイスフラン買い持ち: +420(9/10)(過去最高スイスフランネット売り持ち高:07年6/19:-79,331)

*加ドル
ネット・加ドル売り持ち:-18,764(9/17)←加ドル売り持ち:-30,942(9/10)(直近ネット買い持ち高最高水準:07年10/12+83001)

*豪ドル
ネット・豪ドル売り持ち:-27,360(9/17)←豪ドル売り持ち:-60,032(9/10)

*NZドル
ネット・NZドル買い持ち:+5,657(9/17)←NZドル売り持ち:-601(9/10)

*メキシコペソ
ネット・ペソ売り持ち:-10,201(9/17)←ペソ買い持ち:+8,279(9/10)(直近買い持ち高最高:08年2/29+125,000)《KO》

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