【株式評論家の視点】旭硝子は来期以降の業績反転への態勢が整う、起き上がりは近い

2013年9月20日 10:07

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

<銘柄の見所>

  旭硝子 <5201> の起き上がりが近付いている。東欧を含む欧州全域の経済環境が厳しく、建築用ガラスの需要および価格水準が、想定を下回る見通しにあり、今2013年12月期の営業利益は、従来の1000億円から700億円(前期比25%減)に引き下げられた。以後、株価は底値圏での展開になっているが、来期以降の業績反転へ向け、欧州建築用ガラス事業などの構造改革施策を実施している。そのため、今期の業績は最終的には減額修正の数字を上回る着地になるとの見方が強まっている。これは、そのまま来2014年12月期の営業利益大幅増につながる流れになると推察される。

  同社は現在、中長期のグループ像として「2020年のありたい姿」を定め、そこへ向け努力を傾注している。持続可能性(サステナビリティ)の視点を取り込んだ成長戦略を描いており、具体的には、「持続可能な社会に貢献している企業」として、売上高2兆円(前12月期1兆1899億円)以上の達成を目指している。

  成長基盤を強化・定着させるためには、3つの戦略を新しい事業ドメインで展開する。「快適な生活・空間領域」では、高性能の断熱・遮熱ガラスやフッ素樹脂フィルム、紫外線や赤外線をカットする高機能自動車用ガラスがある。「クリアな映像・通信領域」では、スマートフォンなどで採用が急拡大している化学強化用特殊ガラスが有望。「クリーン&グリーンなエネルギー領域」では、垂直型太陽光発電ユニットなどが有望視されている。

  今12月期の配当については、期初予想の26円から18円に減額したが、それでも配当利回りは3%弱に達する。高利回りを確保しながら、中期的な値上がり益も期待できる、個人投資家にはうってつけの投資対象と言えそう。(株式評論家・隆盛)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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