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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】Jトラスト株価は調整一巡して出直り、業容拡大戦略に評価余地
Jトラスト <8508> (東2)の株価は8月下旬に急落したが、調整一巡して出直りの動きを強めている。低金利が追い風であり、積極的な業容拡大戦略に評価余地があるだろう。
事業者向け貸付、消費者向け貸付、クレジット・信販、信用保証、債権買い取りなどの金融サービス事業を主力として、不動産事業、アミューズメント事業、海外金融事業(消費者金融業、貯蓄銀行業)、その他事業(システム開発など)も展開している。
M&Aや債権承継などの積極活用で業容を拡大し、国内金融分野では日本保証(12年3月ロプロが武富士の消費者金融事業を承継、12年9月ロプロと日本保証が合併)、KCカード(11年8月旧楽天KCを子会社化)、クレディア(12年7月ネオラインホールディングス株式取得に伴い子会社化)、不動産分野・アミューズメント分野ではアドアーズ <4712> (12年6月子会社化)などを傘下に置いている。
海外金融分野では、韓国・親愛貯蓄銀行(12年10月貯蓄銀行認可・営業開始)が未来貯蓄銀行の一部資産・負債を承継し、1月に韓国・ソロモン貯蓄銀行から、6月に韓国・エイチケー貯蓄銀行から消費者信用貸付債権の一部を譲り受けた。
今期(14年3月期)の連結業績見通しは、売上高が前期比30.4%増の726億20百万円、営業利益が同34.1%増の161億03百万円、経常利益が同26.4%増の173億19百万円、そして純利益が同12.9%増の150億30百万円としている。第1四半期(4月~6月)は事業規模拡大に伴う販管費増加で大幅減益だったが、通期ベースではアドアーズや親愛貯蓄銀行の収益拡大も寄与する。
8月23日には、傘下のKCカードがトマト銀行 <8542> と提携し、トマト銀行が取り扱うローン商品「トマト・KCおまとめカードローン」に係る保証業務の取り扱いを開始すると発表した。保証業務提携先拡大の一環だ。
株価の動きを見ると、8月下旬に下値支持線として意識されたライツ・オファリングの行使価格1800円を割り込んで急落し、8月27日に直近安値となる1325円まで調整する場面があった。しかし8月27日の安値をボトムとして切り返し、足元では1800円台を回復している。調整が一巡した形だろう。
9月19日の終値1856円を指標面(ライツ・オファリングに伴う発行済株式数増加後)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS149円36銭で算出)は12~13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は0.5%近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を突破し、戻りを押さえていた75日移動平均線も突破する動きを強めている。調整一巡して強基調へ転換しそうだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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