NYの視点:タカ派FOMCはサプライズに

2013年9月18日 07:03

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記事提供元:フィスコ


*07:03JST NYの視点:タカ派FOMCはサプライズに

2013年で最も重要とされる米連邦公開市場委員会(FOMC)がワシントンで開始された。焦点は米連邦準備制度理事会(FRB)が果たして資産購入規模の縮小を開始するかどうか。また、縮小を開始した場合の規模。さらに、四半期に一度予定されているFRBの景気見通しに注目が集まる。7-9月期に入り低調な米経済指標が続きFRBが景気見通しを下方修正することは間違いないと見られている。ただ、景気見通しの下方修正と、量的緩和第3弾(QE3)の規模の縮小を同時に行うことは通常、理にかなわない。この場合、QE縮小の正当化が必要となり、FOMC後の記者会見におけるバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の説明が必要となる。

FOMCを前に米国の経済専門局CNBCが実施した調査で、FRBが資産購入縮小を開始する時期としては今回の9月会合との見方が全体の48%を占め、最も多い。半数以上が10月までに開始を予想していることが明らかになった。規模は平均で150億ドル。現在実施している各月850億ドル規模のMBS(住宅ローン担保証券)と米国債の購入を700億ドル程度に縮小すると見ている。縮小規模は7月時点の調査の192億ドルを下回る。また、72%を米国債、28%をMBSと、米国債に焦点をあてた縮小が予想されている。ゴールドマンサックスのチーフエコノミストはFRBが米国債購入のみ縮小すると見ているようだ。

量的緩和第3弾(QE3)は2014年8月に終了。また、回答者の81%は、「FRBによる出口戦略の実施はすでに米国債、MBS市場で織り込まれている」と見ていることも明らかになった。米国債市場で10年債利回りは来年の夏までに3.4%まで上昇することが予想されている。6月時点では2.8%だった。

FOMCの結果発表を前に米ウォールストリートジャーナル紙のFedウォッチャー、ヒルゼンラス氏はQE縮小の見送りの可能性にも言及するなど、市場がハト派寄りに傾斜し始めた傾向も見られる。市場は、FRBが9月に資産購入縮小を開始すると見ているものの、「規模を50億ドルの少額にとどめる」との見方や「縮小を見送る」との見方も浮上。150億ドル以上の量的緩和第3弾(QE3)縮小を示すタカ派のFOMCとなると、逆にサプライズとなり、ドル買いを誘うと考えられる。

■CNBCエコノミスト調査(2013年9月)

*FRBが資産購入縮小を開始する時期

9月:48%
10月:28%
11月:4%
12月:9%
1月:4%

*米10年債利回り
来年の夏までに3.4%まで上昇(6月時点:同時期2.8%)

*次期FRB議長
イエレンFRB副議長88%
コーン前FRB副議長6.3%《KO》

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