【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ケンコーマヨネーズ株価は高値窺う、3月高値に9.6合目

2013年9月17日 09:09

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

  業務用マヨネーズ・ドレッシング類大手のケンコーマヨネーズ <2915> の株価は戻り高値圏で堅調に推移している。今期(14年3月期)好業績見通しを評価して3月の高値を試す展開だろう。

  マヨネーズ・ドレッシング類を主力として、調味料・加工食品事業および総菜関連事業を展開している。中期経営計画で掲げた「サラダカフェ」「サラダ料理」「世界のソース」「タマゴ製品」などの事業領域拡大戦略が順調に進展している。

■サラダカフェを首都、関西圏中心に30店舗へ

  サラダカフェ事業の店舗展開は、首都圏・関西圏を中心に30店舗とする構想で、百貨店内への新規出店が本格化している。静岡県富士市の新工場(14年4月稼働目標)では小型サラダ市場にも本格参入する方針だ。また海外は中国・杭州の新工場が本格稼働し、インドネシアにも合弁会社を設立して展開を強化している。

  今期の連結業績見通しは売上高が前期比1.8%増の555億円、営業利益が同2.1%減の27億20百万円、経常利益が同0.2%増の25億80百万円、純利益が同0.8%増の14億20百万円としている。

  食用油など原料価格上昇や新工場稼働に向けた投資負担などでほぼ横ばいの計画だが、第1四半期(4月~6月)が期初計画を上回る増益となり、通期見通しに対する進捗率も売上高が25.8%、営業利益が33.6%、経常利益が34.0%、純利益が36.0%と高水準である。通期増額の可能性が高いだろう。

  外食・コンビニエンスストア・量販店向けに、調味料・加工食品事業、総菜関連事業ともに好調である。工場稼働率上昇効果やコスト低減効果なども寄与する。さらに原材料価格上昇に伴って一部商品の価格を7月1日出荷分から引上げることを発表しており、価格改定が浸透すればさらに上振れ要因となりそうだ。サラダカフェブランドの展開強化などで中期成長も期待される。

  株価の動きを見ると水準を切り上げる動きが続いている。8月30日に一時的に調整する場面があったが、すぐに反発して足元は900円近辺の戻り高値圏で堅調に推移している。今期好業績見通しを評価する動きだろう。

  9月13日の終値898円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS99円92銭で算出)は9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間21円で算出)は2.3%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1041円54銭で算出)は0.9倍近辺である。

  週足チャートで見ると、13週移動平均線がサポートラインとなり、戻りを押さえていた26週移動平均線を突破している。強基調への回帰を確認した形だろう。3月の高値932円は射程圏であり、指標面の割安感も支援材料となって上値を試す展開が期待される。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

【関連記事・情報】
【飛び乗り飛び降りコーナー】GMOインターネット続伸、オリンピック関連で有望(2013/09/11)
【編集長の視点】日東電工はもみ合い、アップル関連株は新製品発表を受けて高安マチマチ(2013/09/11)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事