週刊ダイヤモンド今週号より~新型iPhone取り扱いでドコモが陥る戦略矛盾の罠

2013年9月17日 08:01

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記事提供元:フィスコ


*08:01JST 週刊ダイヤモンド今週号より~新型iPhone取り扱いでドコモが陥る戦略矛盾の罠
米アップルが新型iPhoneを発表し、NTTドコモ<9437>もついに取り扱いを決めました。ドコモにとっては、顧客流出に歯止めをかける一方、売れば売るほど戦略に矛盾する“劇薬”になりかねないとダイヤモンド誌では指摘しています。

ダイヤモンド誌が入手した実際の端末販売台数は、7月が前年同月比2割、8月も同3割強の減少となり、新型iPhoneが販売される秋以降は、更なる落ち込みも予想されていました。これまでiPhoneを取り扱ってこなかったドコモが方針転換を図ったのには、こうした背に腹は代えられないという事情があったのです。

ドコモにとって期待が大きいのは地方のようです。地方はドコモの金城湯池ですが、従来型携帯からスマホへの買い替えが進んでおらず、最近は陰りが見えていました。今回は、「てこでも動かなかった利用者がiPhoneに流れていくだろう」とみているようです。

しかし、これこそがドコモのクビを締めかねないと、ダイヤモンド誌では警鐘を鳴らしています。ドコモでは、ネット通販の「dマーケット」や動画配信サービス「dビデオ」といったサービス提供に力を入れ、購入時から直ぐに使えるような端末仕様やセット契約を結んでいます。対象をスマホ初心者に向けて、通販などでドコモのサービスを利用してもらおうという思惑があったのです。

ただ、iPhoneではそれが簡単ではなく、ドコモのサービスが選ばれるかには疑問符が付きます。スマホ初心者向けに対するiPhoneの導入は、これまでの戦略見直しを迫ることにもつながりかねないとダイヤモンド誌では考えているようです。《NT》

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