関連記事
新興市場見通し:上値を試す展開か、個人投資家のマインドが向上
*15:48JST 新興市場見通し:上値を試す展開か、個人投資家のマインドが向上
先週の新興市場は、2020年夏季オリンピックの東京開催決定によるマインドの改善が追い風となり、戻りを試す展開となった。新興不動産やインフラ関連など、オリンピック関連と位置付けられる銘柄が軒並み賑わう格好に。また、週末にかけてはバイオ関連やネット関連などにも循環物色が波及し、マザーズ指数は約1ヵ月ぶりの水準を回復した。週間の騰落率は、日経平均が+3.9%であったのに対して、マザーズ指数は+10.1%、日経ジャスダック平均は+2.5%だった。なお、13日のマザーズ市場の売買代金は1192億円まで膨らみ、8月21日以来、約3週間ぶりに1000億円台乗せとなった。
個別では、レーサム<8890>やいちごHD<2337>などの新興不動産関連、夢真HD<2362>やエスイー<3423>などインフラ関連が大幅高となった。また、翻訳センター<2483>やアビックス<7836>、ヒビノ<2469>、メディアGL<6659>などもオリンピック関連として賑わった。その他、みずほ証券が投資判断「買い」でカバレッジを開始したペプチドリーム<4587>をはじめ、ナノキャリア<4571>やカイオム<4583>、テラ<2191>など、バイオ関連も大幅高となった。一方、ガンホー<3765>が週間で約4.6%の下落となるなど、ゲーム関連の一角が逆行安。また、米アップルの新型iPhoneへの期待感を背景に物色が見られていたDDS<3782>なども、出尽くし感から利益確定売りが膨らんだ。なお、13日にマザーズ市場へ上場したサンワカンパニー<3187>は上場初日に初値が付かない程の人気化となった。
今週の新興市場は、個人投資家のマインド向上が支援材料となり、引き続き、上値を試す展開となりそうだ。東京オリンピックの開催決定を受けて、オリンピック関連のみならず、バイオ関連やネット関連など、中小型株には循環物色の動きが広がっており、資金回転が利きやすい状況とみられる。17-18日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和の縮小が決定し、世界的にリスクオフムードが強まる可能性がある点には注意が必要だが、大型株に手掛けづらさが意識されると、消去法的に短期資金が新興市場の中小型株へと向かうことも想定しておきたい。なお、先週末時点で、日経平均は年初来高値まで約10%に迫っているのに対して、マザーズ指数は依然、30%も下落した水準にあるため、相対的な出遅れ感が残ると言えよう。
個別では、オリンピック関連やバイオ関連、ネット関連の循環物色が継続することになりそうだ。マザーズ指数に出遅れ感が意識される場合には、先週と同様、マザーズ市場の時価総額上位であるバイオ関連やネット関連などに資金が向かいやすいだろう。バイオ関連は学会シーズンとなる秋口を迎えるほか、ゲーム関連については19日から開催される東京ゲームショウ2013なども手掛かり材料となるか。
その他、先週末にマザーズ市場へ上場したサンワカンパニーの動向次第では、直近IPO銘柄への見直しも期待される。直近では、N・フィールド<6077>が公開価格の約2倍の初値を付けた後も、さらに初値から2倍程度まで上昇するなど、IPO銘柄のセカンダリーでの好パフォーマンスも期待されるところ。なお、今週は20日にオープンハウス<3288>が東証1部市場へ上場するが、不動産関連のIPO案件でもあり穏便なスタートとなりそうだ。《TN》
スポンサードリンク

