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NYの視点:ジャクソンホールの注目点
*07:02JST NYの視点:ジャクソンホールの注目点
今週末に向けてワイオミング州、ジャクソンホールでカンサスシティ連銀主催の経済シンポジウムが開催される。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長やドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が欠席するなか、次期FRB議長候補と見られているイエレンFRB副議長や黒田日本銀行総裁の発言などに注目が集まる。FRB議長の欠席は、グリーンスパン前議長が1988年に欠席した以降ではじめて。また、世界の金融政策に焦点をあてた協議がなされると見られる。
世界の中央銀行は現在、それぞれ違ったステージに立っている。米FRBは無制限の資産購入となる量的緩和第3弾(QE3)の縮小に向けたコースを歩んでいる。一方、日本銀行はデフレ脱却に向け本年4月に米国の3倍規模となる資産購入策を発表したばかり。ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁やカーニー英中央銀行総裁は、「必要である限り、緩和策を継続する」方針を発表している。なお、今回の会合には両総裁とも欠席。
米FRBの資産購入縮小の思惑を受けて脆弱な新興市場の株価や通貨の急落が目立つ。出席を予定していたトンビニ・ブラジル中央銀行総裁は市場を監視するため急遽、会合への出席を取りやめた。
■注目点
1.次期FRB議長の最有力候補のひとりとして見られているイエレンFRB副議長がフィッシャー前イスラエル中央銀行総裁と進行をつとめる。市場に影響を与えるような発言はないだろうと見られているものの同時にサプライズも除外できない。
2.その他、注目すべき出席者は、2013年の4月から並外れた量的・質的緩和を実施している日本銀行の黒田総裁。その発言に注目が集まる。デフレ脱却のために何でも行う日本銀行の方針を再確認すると見られている。黒田総裁はメディアとのインタビューにおいて示した見解「日本経済の改善は着実に進んでおり、賃金や消費で楽観的なサインが見られる」「消費税の引き上げは景気回復を損ねたり、インフレの2%目標達成の妨げにはならない」「財政健全化が遅れると、将来問題になりかねない」を繰り返す可能性がある。黒田総裁が日本のデフレ脱却への断固とした姿勢を表明すると、更なる円売りにつながる可能性がある。
3.量的緩和(QE)やフォワードガイダンスの協議が予想される。《KO》
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