【中国から探る日本株】LCC発展に向け政策支援を検討、航空市場は一段と拡大へ

2013年8月22日 08:10

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記事提供元:フィスコ


*08:10JST 【中国から探る日本株】LCC発展に向け政策支援を検討、航空市場は一段と拡大へ
中国の航空業界は近く、2004年の民間開放以来の「第2の春」を迎える可能性がある。中国の航空当局は今月5日の会議で、格安航空会社(ローコストキャリア:LCC)の発展支援策を下期に定める方針を固めた。LCCの発展によって中国の航空市場は一段の拡大が期待されている。

地方紙「京華時報」(21日付)が報じたもので、中国の航空業界では燃料費など固定費の比率が高いことから、LCCが育ちにくい環境にあるという。その最大の要因として、ジェット燃料を国営の中国航空油料集団から購入しなければならないことが指摘されている。こうした状況に対し、上海拠点のLCC春秋航空は、着陸料や施設使用料の引き下げなどを求めている。

一方、国営航空の一角である中国東方航空によると、世界の航空市場におけるLCCのシェアが25%を超えているのに対し、中国でのLCCシェアは5%に満たない。LCCの成長余地は依然として大きく、海外からの参入も増えている。先の京華時報によると、豪ジェットスター、韓国ジンエアー、シンガポールのタイガー・エアウェイズなどLCC18社が中国線を運航している。

ただ、中国でLCCが勢力を増せば、現地の航空市場では価格競争が激化するとも指摘されている。また、春秋航空のように日本への参入組が増える公算もあり、ANA<9202>やJAL<9201>といった日本組にも影響が出る可能性がある。なお、日本のLCCでは、ANAの出資するピーチが大阪-香港線を運航しているほか、本土線の就航を検討している。《NT》

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