NYの視点:米QE縮小先送りも

2013年8月7日 07:03

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記事提供元:フィスコ


*07:03JST NYの視点:米QE縮小先送りも

米国商務省が発表した6月の貿易収支で赤字幅が予想以上に改善したため、貿易が大きく4-6月期国内総生産(GDP)にプラスに寄与するとの期待が強まった。各社エコノミストは軒並み4-6月期GDP予想を引き上げ。バークレイズは当初予想から0.7%引き上げ2.5%増とした。速報値は1.7%増だった。2013年の投票権を保有しハト派として知られるエバンス・シカゴ連銀総裁でさえも9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で連邦準備制度理事会(FRB)が資産購入を縮小する可能性も「除外しない」との見解を示している。

また、遅行指標ながら米連邦準備制度理事会(FRB)が好んで使用しているJOLT求人労働異動調査の6月分産業別求人件数は393.6万件と、予想の389.5万件を上回り2008年5月以来で最高となった。しかし、6月の雇用件数は前月分から28.9万件減の420万と、12月以来で最低となった。減少幅は2010年6月以来で最大で、雇い入れ率(全体雇用のうち新規雇用の率)は3.3%から3.1%へ低下。求人件数の増加と反比例する結果となった。自己退職者は216万人で、5月の223万人から減少。退職率は1.6%とほぼ変らず。前回の雇用拡大期の平均は2%で、景気が好調だった2006年6月は2.3%だった。6月までの1年間で雇用された労働者は190万人の純増。

FRBは同指数を「雇用の傾向を見極める上で正確」として注目しているが、この結果も9月の量的緩和第3弾(QE3)縮小を確実にするものにはならなかった。2014年1月末の任期満了をもって退任すると見られているバーナンキ米FRB議長の後任で有力候補と見られているイエレンFRB副議長もこのJOLT指標を特に重要視。雇用市場の状況を判断する上で特に重要な4つの指標のうちのひとつとして見ている。イエレンFRB副議長は1月の講演で、「失業率や非農業部門雇用者数だけでなく雇用市場を判断する上で他の指標にも注目していく」と述べた。

米債券運用会社パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)のビル・グロース共同最高投資責任者は「JOLTSの結果は各月20万人の雇用増を確認するものではなく、どちらかというと各月12.5万人の雇用増を示唆している」と見ており、「イエレンFRB副議長が主張すれば、資産購入縮小が先送りされる可能性もある」と指摘した。

資産購入の行方を探る動きは続く。《KO》

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