三菱重工、ターボチャージャーの生産能力増強へ 海外で約110億円を投資

2013年8月6日 17:53

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 三菱重工業は6日、ターボチャージャーの年間生産能力1,000万台体制構築に向けて生産能力を増強すると発表した。

 その第一弾として、タイをはじめとする海外生産拠点に総額約110億円の投資を行い、2015年までに年間生産能力を現状の580万台から890万台まで増強する。燃費規制強化の広がりを背景としたターボチャージャー需要の世界的急増に対応するのが狙い。三菱重工は1,000万台体制構築に向けて更なる投資も計画中で、早期に乗用車用ターボチャージャーの世界トップシェアを目指す。

 開発、製造、営業面でも新たな施策を推進する。具体的には、世界最高効率を達成する「新コンセプトターボチャージャー」や、ガソリンエンジンの一層のダウンサイジングに対応した「電動式の二段過給システム」(電動2ステージターボチャージャー)などの次世代ターボチャージャーを開発し、新たな市場を開拓する。そのため、欧州の生産拠点である三菱重工の全額出資子会社Mitsubishi Turbocharger and Engine Europe B.V.には、日本に次ぐ“第二の開発拠点”として役割を担わせ、顧客への開発サポートを充実させていく。

 製造面では、日本を中心とする生産拠点の設備自動化を推進し、日・米・欧・アジア4極のフレキシブルな生産融通体制を実現することでコスト競争力の一層の強化をはかる。

 さらに、完成品の最終組立をそれぞれのマーケット近傍の拠点で行い、顧客密着型のサポート体制を構築することで、市場の多様なニーズに的確かつ短納期で対応する。

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