関連記事
NYの視点:9月のQE縮小はいまだに微妙
*07:04JST NYの視点:9月のQE縮小はいまだに微妙
予想を上回った4-6月期国内総生産(GDP)にもかかわらず、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合での連邦準備制度理事会(FRB)による資産購入縮小は微妙だ。米国の4-6月期GDP速報値は前期比年率1.7%増と、市場予想の1.0%増を上回り、2012年7-9月期以来の高水準となった。しかし、1-3月期は1.8%増から1.1%増へ下方修正され上半期の成長は1.4%増にとどまった。燃料と食品を除いたコアPCE価格指数も前期比0.8%増と、予想の1.0%増を下回り2010年10-12月以来で最低でディスインフレの兆候が見られた。内訳で、個人消費支出(PCE)は1.8%増と、予想の+1.6%増を上回った。非居住住宅投資は4.6%増、居住住宅投資は13.4%増。大幅な削減を見せていた連邦歳出は1.5%の減少にとどまった。輸入は+9.5%と輸出の+5.4%増を上回り貿易赤字の拡大が0.8%マイナスに寄与した。在庫は0.4%増でプラスへ寄与だが、エコノミストは景気にとっては足かせとなると悲観的。年次改定により、直近4四半期の成長が下方修正されたものの、過去6年間の成長は小幅上方修正されている。
国際通貨基金(IMF)は米国に関する報告の中で、2013年の米国成長率見通しを1.7%とした。これは、FRBの見通し2.3-2.6%を大幅に下回る。同時に、低成長見通しを理由に「米FRBは各月850億ドル規模の資産購入を2014年初めまで継続すべき」との見解を示している。資産購入策を「引き続き効果がコストを上回る」と評価。米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)も2013年の米国国内総生産(GDP)予想を2.7%から2.0%に引き下げている。
市場で定評のある米ゴールドマンサックスのチーフエコノミスト、ハチアス氏は9月のFOMCでFRBが発表する予定の四半期ごとの経済見通しで2013年の成長率見通しが下方修正されると見ている。過去データの年次改定により直近4四半期の成長率は1.4%に下方修正されたが、本年上半期の成長も1.4%。FRBの成長見通しである2.3-2.6%に達するためには3%以上の成長が必要だ。しかし、下半期の成長ペースのこの水準に達するほど、米国経済は「十分に強くない」と見ている。FRBが2013年の成長率見通しの下方修正とQE縮小を同時に実施することを正当化することは難しい。しかし、一方で、米国財務省が提示した借り入れ目標「年末に前年比で30%減」を達成するため、議会がこの目標を引き上げない限り、9月のQE縮小は今のところ避けられそうもないという。
30-31日実施の米FOMCでは、量的緩和第3弾(QE3)の行方に関するヒントは全く示されなかった。米FRBが市場の変動を回避するための慎重な姿勢が伺える。景気やインフレ見通しが若干下方修正されてややハト派よりとなった声明にもかかわらず多くのエコノミストは米FRBが9月のFOMCで資産購入の縮小に踏み切るとの見通しを維持している。9月の会合まで、FRBには市場にQEの行方を伝達する時間がまだかなり残されている。《KO》
スポンサードリンク

