個人主体による材料株に資金が集中/ランチタイムコメント

2013年6月20日 11:53

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記事提供元:フィスコ


*11:53JST 個人主体による材料株に資金が集中
 日経平均は反落。143.69円安の13101.53円(出来高概算14億9000万株)で前場の取引を終えた。バーナンキFRB議長がFOMC後の記者会見で量的緩和縮小に言及したことを受けた米株安の流れを引き継ぎ、東京市場は売り先行で始まった。大証225先物は13080円と、シカゴ先物清算値(13160円)を下回ってのスタート。その後12950円まで下げ幅を広げる局面もみられたが、次第に下げ幅を縮めており、13100円を挟んでの推移が続いている。
 セクターでは鉄鋼が上昇率トップ。水産農林、電力ガス、空運などが小じっかり。一方で、鉱業、機械、金属製品、倉庫運輸、医薬品、不動産、証券、その他金融、小売などに利益確定の売りが出ている。東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1100を超え、全体の6割を占めている。規模別指数では大型、中型、小型株指数ともに下落。指数インパクトの大きいところでは、KDDI<9433>、日揮<1963>、ソフトバンク<9984>、アドバンテスト<6857>などが堅調。半面、ファナック<6954>、ファーストリテイリング<9983>、京セラ<6971>、TDK<6762>などが重しに。
 日経平均は寄付き後に先物主導で13000円を割り込む局面もみられたが、5日線辺りをサポートに下げ幅を縮めている。結果的には寄付き水準でのこう着であり、想定内の動き。前日に大幅に上昇した反動、投信設定による買い需要の反動とみれば、米株安の影響にも底堅さが意識されている。また、メガバンクの一角が堅調に推移していることなども安心感につながる。
 もっとも、指数インパクトの大きいファナック<6954>、ファーストリテイリング<9983>のほか、値がさハイテク株がマイナスレンジで推移しているため、日経平均の反転は期待しづらい。一目均衡表では雲下限に上値を抑えられる形状であり、上値追いにも慎重であろう。
 そのため、物色は個人主体による材料株に資金が集中しやすい状況である。神栄<3004>、前沢工<6489>、サニックス<4651>、チタン工<4098>、カーバイド<4064>、群栄化<4229>辺りに、引き続き短期資金が向かいやすいだろう。そのほか、セクターでは鉄鋼、水産農林辺りが注目されよう。(村瀬智一)《FA》

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