【ジャーナリスト&アナリスト・水田雅展の視点】山下医科器械の17日株価83円高と急伸、大きく出直る、好調期待の5月期決算発表接近

2013年6月18日 09:10

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 医療機器商社の山下医科器械<3022>(東1)の17日株価は83円高の1862円と急伸、大きく出直ってきた。7月予定の決算発表が接近している。

 九州を地盤とする医療機器商社で、医療機器の販売・メンテナンス、医療材料や消耗品などの販売を主力としている。九州最大の需要地である福岡県での市場シェア拡大戦略を推進するとともに、医療機関から物品管理含めた複合的サービスのニーズが高まっていることに対応して、SPD(病院医療材料管理業務)の契約施設数増加を進めている。営業エリア拡大も徐々に進める方針であり、政府の成長戦略を追い風として中期的な成長が期待されるだろう。

 前期(13年5月期)連結業績は、5月16日に増額修正を発表して前々期比6.2%増収、同23.5%営業増益、同21.1%経常増益、同65.3%最終増益とした。医療材料の償還価格引き下げや販売競争激化などがマイナス要因だが、超音波画像診断装置など高額画像診断機器の販売が増加したことに加えて、SPD契約施設数増加などで医療材料や消耗品の販売が想定以上に好調に推移した模様だ。市場拡大も追い風であり、今期(14年5月期)も好業績が期待されるだろう。

 株価の動きを見ると、前期業績および配当の増額修正を好感して5月17日には年初来高値となる2538円を付けた。その後は市場全体の地合悪化も影響してほぼ一本調子の調整局面となり、6月7日には1580円まで調整する場面があった。ただし足元では1800円台まで戻して調整一巡感を強めている。

 6月17日の終値1862円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS131円01銭で算出)は14~15倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間38円で算出)は2.0%近辺、実績PBR(前々期実績の連結BPS1987円77銭で算出)は0.9倍近辺である。

 年初来高値から一転して急反落したが、週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から反発してサポートラインを確認した形だろう。指標面に割高感はなく、市場拡大が期待される医療関連のテーマ性も支援材料であり、7月予定の決算発表が接近して出直りの動きを強める可能性があるだろう。(ジャーナリスト&アナリスト・水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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