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週刊ダイヤモンド今週号より~稲盛経営の徹底解剖、「社員くらいほれさせんかい!」
*08:00JST 週刊ダイヤモンド今週号より~稲盛経営の徹底解剖、「社員くらいほれさせんかい!」
京セラ<6971>、KDDI<9433>を創業し、日本航空<9201>では会社更生法の適用から2年で営業利益2000億円というV字回復の偉業を達成した希代の名経営者、稲盛和夫氏。今週号の週刊ダイヤモンドでは稲盛経営を読み解く三つのキーワード「フィロソフィ」「アメーバ経営」「成功のための方程式」をベースに、同氏の経営哲学を徹底解剖しています。
鹿児島生まれの稲盛氏は中学や大学受験、就職活動で失敗を続けたほか、肺結核や戦争などを経験した苦労人。帝国石油への入社がかなわず、教授が見つけてくれた京都の松風工業という小さな焼き物メーカーから社会人経歴をスタートさせました。
松風工業は業績が芳しくありませんでしたが、稲盛氏はひたすらファインセラミックの研究に没頭。これが京セラの基礎となりました。
当初、稲盛氏にとっての京セラは「稲盛和夫の技術を世に問うため」の会社でしたが、これが「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」との経営理念に発展。そして自分の考え方や判断基準、価値観をまとめた「フィロソフィ」の作成につながりました。さらに、全社員が価値観を共有することで、今度は会社を小集団に分け、それぞれにリーダーを置いて独立採算制で管理する「アメーバ経営」と呼ばれる経営手法が編み出されるに至っています。
稲盛哲学は中小企業の経営者を中心に広がりを示し、30年の歴史を持つ勉強会「盛和塾」は“魂”で結ばれた場所となりました。特集ではこの盛和塾をドキュメント方式でリポートし、「実に熱い」現場の様子を伝えています。
こうした熱狂ぶりを敬遠する動きも当然あり、社員全員が稲盛氏を崇拝する京セラはかつて「狂徒セラミック」とやゆされていました。こうした稲盛経営に距離を置く中小企業の“チンピラ社長”に対し、稲盛氏は「たかが30-40人の社員くらいほれさせんかい」と叱咤。この言葉で開眼し、今では売上高経常利益率10%、自己資本比率30%までになった歯科技工品メーカーのエピソードなどが、特集では紹介されています。
日本航空の再建について、記事ではエリートが多く官僚的で頭でっかちな組織をどのように変化させたかが詳細に記録されています。昔の日本航空では「社員が5万人いるのだから、俺一人がサボっても休んでも変わらない」という雰囲気でしたが、今は「俺がいるから3万2000個の歯車は順調に回れる」に変化したと。《NT》
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