米株式:下落、ダブルボットムの形成試み続く

2013年6月14日 23:52

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記事提供元:フィスコ


*23:52JST 米株式:下落、ダブルボットムの形成試み続く

米株式市場

下落。

S&P500先物は13日朝方に1597.95まで下落、6日の安値1596.95を割る前に下げ止まり、この2つのレベルでダブルボットムを形成を試みている。先物で、5月22日に1686.65まで史上最高値を更新してから値動きの荒い展開が続いている。ダブルボットムのパターンが成功すれば、今後1週間程の間で1653から1666までの上昇が望める。目先のサポートは1632付近や1620付近。マーケットは14日、S&P500に大きな動きが見られないなかで、主導株のアップル(AAPL)やグーグル(GOOG)、銀行特にゴールドマン・サックス(GS)が買い控えられている。

13日午後にウォール・ストリート・ジャーナル氏のヒルゼンラス氏が、「バーナンキ議長は金利引き上げと資産購入縮小には時間をかけることをマーケットに分からせる」との見解を示すと直後に株、債券、金&銀が同時に上昇。6月18-19日の連邦公開市場委員会後のバーナンキ議長によるプレスカンファレンス前を1週間後に控えているなかで、ヒルゼンラス氏と連銀はマーケットの沈静化を図っているようだ。

なお、資産購入縮小の思惑が始まったのも、ヒルゼンラス氏による一か月前の5月10日の「連銀は景気刺激策からの出口を計画」と題したレポートを発表以降。これ以前は、連邦公開市場委員会で投票権を持つメンバーのカンザスシティのジョージ総裁や持たないダラス連銀のフィッシャー総裁、サンフランシスコ連銀のウィリアムス総裁、フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁が縮小や終了に関して発言しても大きな動きはなかった。

14日に野村のストラテジスト(ジャンジュア氏)は「連銀による縮小は緩やかに、かつコミュニケーションを取ったかたちで行われる」と指摘、「ただ、縮小の理由は労働市場やインフレ、経済状況ではなく、これらの改善は今後数年間見られない。連銀は、バブルの引き金を起こしていることを非常に懸念している。マーケットによる反応は遅くなり、25-50%の下落が確認されるベアマーケットに今年終盤から14年早期に入るだろう」との見解をクライエントに送っている。

なお以前、投票権を持つボストン連銀のローゼングレン総裁は「連銀はバブルへのシグナルを注視」と発言、投票権を持たないロックハート・アトランタ連銀総裁は「どのアセット・クラスでもバブルの兆候は見ない」と発言している。一方で、バーナンキFRB議長は、「連銀はバブルの状況を常に判断できる可能性は低い」との見解を示していた。

海外では、S&Pがスペインの格付けをBBB-、見通しをネガティヴで維持している。

S&P 500は1.76安の1634.60前後で推移、ナスダック総合指数8.06ポイント安の3437.31ポイント前後で推移、ダウ平均株価は19.03ドル安の15157.05ドル。(日本時間22時35分時点)。《KG》

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