「FRBが“QE3”を運転する技術についての考察」

2013年6月14日 16:58

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記事提供元:フィスコ


*16:58JST 「FRBが“QE3”を運転する技術についての考察」
FRBが運転するQE3とは、さしずめ、大型トレーラーといったところか??トラックが

大型であれば、あるほど、その運転には細心の注意が必要だし、何より、大型である

が故に、その慣性モーメントは想像を絶するものがある。だから下手に急ブレーキを

踏めるものでもないし、急ハンドルなど切れないのである。また、そのブレーキを踏

み方次第では“ジャックナイフ”という現象も発生してしまうのである。

ジャックナイフ現象とは、牽引自動車 ( セミトレーラ )が急ブレーキや急ハンド

ルをした時、トラクター(運転席)とトレーラー(荷台)がくの字状に折れ曲がる現

象をいい、これが発生した場合、周辺の車を巻き込む大事故に発展する可能性が高

い。

今回の5月に入ってからの量的緩和出口論も、その運転技術の難しさゆえに発生し

た“ジャックナイフ現象”ものといえるかもしれない。冒頭で示したように、QE3の

運転には高度な技術が必要だし、ひとたび騒動が起きれば、その慣性の法則によっ

て、その周辺では長引いて混乱してしまう、それが昨今の金融市場における惨状なの

である。

そして、この混乱を収めるべく、動いたのが米連邦準備制度理事会(FRB)に助言

する連邦諮問委員会(FAC)であり(6/3)、WSJ紙(6/13)であり、そして世

界銀行ではなかったか(6/12)。

しかし、世界銀行は実に率直であった。


「先進国の金融緩和が終了すれば、新興国の成長妨げになる」との警告を発したのだ

から。


QE3の運転は難しいのである。《FA》

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