【映画】70年の時を経て発見、ロバート・キャパら3人の伝説的写真家が捉えたスペイン内戦の真実とは

2013年5月31日 17:55

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記事提供元:ファッションプレス


メキシコで2007年に発見された3つの箱に関する物語「メキシカン・スーツケース <ロバート・キャパ>とスペイン内戦の真実」が2013年8月下旬に公開される。第二次世界大戦の初めの混乱のさなか行方知れずとなっていたこの箱の中には伝説的な戦場カメラマン、「ロバート・キャパ」、「ゲルダ・タロー」、「デヴィッド・シーモア」らが撮影したスペイン内戦の4,500枚もの写真のネガが入っていた。


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キャパとタローとシーモアは、それぞれハンガリー、ドイツ、ポーランド出身のユダヤ系移民で、1930年代の初めの文化的に開かれたパリに移り住み、のちにスペインに旅立つ。そのスペインで、新しく誕生した共和制民主主義派政権と、その打倒を唱えるフランコ軍とが内戦状態に突入。このとき3人が撮った戦火の写真は、スペイン内戦の最も貴重な視覚的記録として世界に発信されることとなる。そしてその数多くの写真は、いつの間にか行方不明となったのだった。



本作品は、奇跡のように発見された数多くの貴重な写真と、かつてスペイン難民としてメキシコに渡った数少ない生存者たちの証言を通じ、スペインでは歴史上の タブーとして扱われ、封印されてきたスペイン内戦の真実を明らにする。さらに、世界一有名な戦場カメラマン「ロバート・キャパ」の知られざる姿も浮き彫りにしていく。



そしてこの映画が持っているもう一つの視点は、ネガがなぜメキシコで発見されたのかという問いを通して、メキシコが当時果たした独自の役割、現在も癒えることのないスペイン内戦の傷跡、さらには歴史の記憶回復に至るまでの動きを追っていることだ。今では生存者も少なくなった当時を生きた世代、そしてその子供や孫の世代が語るスペイン内戦についての記憶、歴史。この映画は、発見された写真や多くの証言から「スペイン内戦」を遠い過去のこととしてではなく、現在のスペインが抱える問題として捉えようとしている。



【映画概要】

「メキシカン・スーツケース <ロバート・キャパ>とスペイン内戦の真実」

スペイン・メキシコ合作

2011年/86分/16:9/Color・B&W

監督:トリーシャ・ジフ

音楽:マイケル・ナイマン

公開:8月下旬

配給:フルモテルモ×コピアポア・フィルム

宣伝:カプリコンフィルム

協力:マグナム・フォト東京支社

URL:http://www.m-s-capa.com/



【映画イントロダクション】

スペイン内戦時、戦場となったスペイン各地で写真を撮り続けたロバート・キャパ、ゲルダ・タロー、デヴィッド・シーモア。彼らが撮影した4,500枚にもわたる写真のネガが、かつて戦火を逃れてメキシコに渡った市民の家で見つかった。70年の時を超えて発見されたそれらの写真には、生々しく激しい戦闘の様子と共に、内戦に翻弄されながらも必死で生きようとした市民の姿が克明に記録されていた―。



©212 Berlin/Mallerich Films Magnum Photos/International Center of Photography, NY


※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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