石油資源開発、カナダのシェールガス・LNGプロジェクトへ参画

2013年3月4日 16:07

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プロジェクトの位置図(画像:石油資源開発)

プロジェクトの位置図(画像:石油資源開発)[写真拡大]

 石油資源開発は4日、マレーシア国営石油会社であるPetroliam Nasional Berhad(PETRONAS社)との間で、PETRONAS社が推進するカナダのブリティッシュ・コロンビア州のシェールガス開発・生産プロジェクトおよび同州西海岸で検討中のLNG(液化天然ガス)プロジェクトに参画することにつき、今回基本合意に至ったと発表した。同プロジェクトへ参画するにあたっては、今後PETRONAS社との正式契約の締結および権益移転に係るカナダ政府の承認取得が必要となる。

 石油資源開発は、今回新たに設立する子会社JAPEX Montney Ltd.(カナダ法人)を通じ、同州ノース・モントニー地域におけるシェールガス鉱区の10%権益を取得するとともに、同州西海岸において、シェールガスをLNG化し輸出する事業(Pacific Northwest LNGプロジェクト、生産量1,200万トン/年)の10%権益と同権益比率相当のLNG(120万トン/年)を引取る権利を併せて取得する予定。

 同プロジェクトのオペレーターであるPETRONAS社は、LNG事業で豊かな経験を有しており、また、イラクのガラフ油田における石油資源開発との共同事業者でもある。PETRONAS社は、今回石油資源開発が参入する鉱区において既にシェールガスの開発、生産、販売を開始している。今後増産される予定のシェールガスは新設されるパイプラインで同州西海岸プリンス・ルパートまで輸送され、LNG化のうえ輸出される計画。

 石油資源開発は同プロジェクトへの参画を通じ、競争力を持ったLNGを長期にわたり安定的に調達していく。輸入されたLNGは、現在事業化調査中の相馬LNG受入基地とその接続パイプラインや既存のパイプライン等のインフラと結びついて販売されることで、同社の収益基盤である天然ガスの一貫操業体制は更に強固なものとなる。また、カナダの豊富な天然ガスをLNGとして輸入することは、日本にとってLNG調達先の多様化などエネルギー需給改善の一翼を担うことに繋がる。

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