【アナリストの眼】利回り4%超の資生堂、今期減額は織込む、来期回復期待

2013年2月18日 09:38

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

資生堂に注目したい。1月31日に今期(13年3月期)見通しの減額修正を発表したが、足元では失望売りが一巡して出直りが期待されそうだ。

資生堂に注目したい。1月31日に今期(13年3月期)見通しの減額修正を発表したが、足元では失望売りが一巡して出直りが期待されそうだ。[写真拡大]

<業績&株価分析>

  資生堂 <4911> に注目したい。1月31日に今期(13年3月期)見通しの減額修正を発表したが、足元では失望売りが一巡して出直りが期待されそうだ。

  1月31日発表の第3四半期累計(4~12月期)連結業績は、売上高が前年同期比1.2%減、営業利益が同65.8%減、経常利益が同62.6%減、純利益が同21.0%減だった。国内化粧品事業が同3.2%減収と低調だったうえに、海外は中国での日本製品に対する不買行動の影響を受け、欧州も伸び悩んだ。利益面では広告宣伝費の増加などもマイナス要因となった。

  通期見通しについては前回予想(10月31日に減額修正)に対して、売上高を200億円減額して前期比0.3%減の6800億円、営業利益を155億円減額して同37.4%減の245億円、経常利益を145億円減額して同35.3%減の255億円、そして純利益を115億円減額して同27.7%減の105億円とした。中国市場の売上が想定を大幅に下回ることに加えて、生産・研究開発拠点再編に伴う固定資産減損損失の計上が主因だ。想定為替レートは年間ベースで1米ドル=79.8円、1ユーロ=102.6円、1中国人民元=12.7円としている。

  来期(14年3月期)については円高修正メリット、海外での「グローバルメガブランド」戦略6ブランドの育成効果などに加えて、鎌倉工場の閉鎖とベトナム工場への生産移管、基礎と製品の研究所統合、人件費削減などの構造改革の寄与が期待されるだろう。

  株価の動きを見ると、安値圏から脱して1月15日には戻り高値1587円を付けたが、今期見通し減額修正を嫌気して2月5日には1130円まで調整する場面があった。ただし足元では1200円近辺に戻している。失望売りが一巡した形だろう。2月15日の終値1206円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS26円38銭で算出)は46倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は4.2%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS729円89銭で算出)は1.7倍近辺である。

  日足チャートで見ると25日移動平均線を割り込んで調整局面だが、週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から反発してサポートラインを確認する形となった。失望売りは一巡した可能性があり、指標面では高配当利回りが支援材料だろう。来期業績改善に対する期待感で出直りが期待されそうだ。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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