【アナリストの眼】クロス・マーケティング、提案営業強化等で通期計画達成可能

2012年11月28日 10:52

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

<業績&株価分析>

  クロス・マーケティング <3629> (東マ)はネットリサーチ事業を主力として、11年8月からはITソリューション事業(モバイル向けサービスの企画・開発・運用事業、プロモーション事業)も開始して、事業領域を広げている。売上拡大に向けた提案営業を強化するとともに、生産能力・オペレーション能力の向上など体制構築も強化している。

  11月8日発表の今期(12年12月期)第3四半期累計(1~9月期)連結業績は、売上高が前年同期比27.5%増、営業利益が同0.5%減、経常利益が同17.1%減、純利益が同30.0%減だった。業容拡大に伴う労務費や業務委託費の増加により減益だったが、リサーチ事業における提案営業強化や新規顧客開拓、前期に子会社化したクロスコミュニケーションのフル寄与などにより、売上高、利益ともに計画を上回った模様である。

  通期については前回予想を据え置き、売上高が前期比24.3%増、営業利益が同19.5%増、経常利益が同3.0%増、純利益が同5.1%減としている。主力のリサーチ事業は同12.4%増収、ITソリューション事業は同2.8倍増収を見込んでいる。通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高が71.6%、営業利益が61.6%、経常利益が61.0%、純利益が59.1%とやや低水準だが、サービスラインナップ充実や提案営業強化などの効果で、取引社数・案件数が着実に増加しており、通期計画は達成可能だろう。

  株価の動きを見ると、第3四半期累計業績を嫌気する形で急落し、13日には年初来安値となる705円まで下落した。その後も安値圏での展開だが、足元では下げ渋り感を強めている。失望売りが一巡して下値を固める展開のようだ。27日の終値729円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS103円36銭で算出)は7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間13円で算出)は1.8%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS597円27銭で算出)は1.2倍近辺となる。

  日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線が抵抗線の形となり、900円近辺でのモミ合い展開から下放れの展開となった。ただし700円近辺では下げ渋り感を強めている。失望売りが一巡してほぼ底値圏だろう。来期(13年12月期)業績への期待感で反発の可能性がありそうだ。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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