関連記事
【アナリストの眼】中期戦略に注目したいクレスコ、今期も好調で指標割安
<業績&株価分析>
クレスコ <4674> はソフトウェア受託開発を主力として、組込型ソフトウェア開発なども展開している。今期好業績見通しと中期戦略に注目したい。
今期(13年3月期)第2四半期累計(4~9月期)の連結業績は、売上高が前年同期比7.3%増、営業利益が同13.4%増、経常利益が同11.3%増、純利益が同46.4%増だった。期初計画をやや下回ったが、増収増益だった。主力のソフトウェア開発事業は同6.6%増収、同10.9%営業増益だった。業種別に見ると金融・保険分野がやや低調だったが、公共・サービス分野が堅調だったことに加えて、流通・その他分野で4月に完全子会社化したクレスコ北陸(旧ソラン北陸)も寄与した。組込型ソフトウェア開発事業は同12.7%増収、同18.7%営業増益だった。カーエレクトロニクス分野が減少したが、通信端末関連やカメラ関連の開発案件が増加した。
通期見通しについては前回予想を据え置き、売上高が前期比10.0%増、営業利益が同21.3%増、経常利益が同14.9%増、純利益が同70.8%増の増収増益見込みとしている。通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が47.5%、営業利益が41.7%、経常利益が42.9%、純利益が44.1%である。第2四半期累計の全社受注高が同13.6%増と好調で、第2四半期末の受注残高が前年同期末比27.9%増と高水準であることを考慮すれば達成可能だろう。収支が悪化していたマーケティングソリューション事業(沖縄センター)を譲渡したことも損益改善に繋がる模様だ。
中期的な重点戦略としては、M&Aも活用したグループ経営基盤強化(複合IT企業化)と営業拠点広域化(地方マーケット参入)、オリジナル製品(セキュアダイブ、インテリジェントフォルダなど)の拡販、知財戦略や海外展開などに加えて、グループ内外で得意分野を持つビジネスパートナー(販売代理店などを含む)との企業間連携(アライアンス)を推進して、コンサルティングビジネスやワンストップ・ソリューション・サービスを強化する(米崎道明・クレスコ経営企画室長)としている。IT投資が回復傾向にある一方で、システム開発の受注獲得競争が激化している状況だが、重点戦略の成果が期待されるだろう。
なお11月26日には、電力システムや車載情報システムなどの開発を主力とするシースリー(茨城県日立市、12年9月期の売上高8億78百万円、純利益55百万円)の株式70%を取得して子会社化すると発表している。グループとしてサービスメニュー強化や営業拠点拡充の効果が期待されるとしている。
株価の動きを見ると、11月14日には年初来安値となる489円まで調整した。しかしこれをボトムとして急反発し、足元では530円台まで戻して調整一巡感を強めている。26日の終値534円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS70円41銭で算出)は7~8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間22円で算出)は4.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS707円87銭で算出)は0.7倍台となる。
日足チャートで見ると、急反発して一気に25日移動平均線を回復し、強基調へ転換の動きを見せている。また週足チャートで見ると、490円~500円近辺で下値固め完了感を強め、抵抗線の13週移動平均線を突破する動きを見せている。今期好業績見通しに再評価の余地があり、指標面での低PERと高配当利回りも支援材料として、出直り展開が期待されそうだ。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
【関連記事・情報】
・【チャート診断】カナモト日足、週足とも買い転換、4ケタ手前を固めれば上値も(2012/11/26)
・【編集長の視点】「3日新甫」の師走相場は「二本足打法」で=浅妻昭治(2012/11/26)
・急騰銘柄を徹底予想する日刊株式投資情報新聞(メルマガ無料)好評!会員が急増中(2012/07/20)
・プロの記者が急騰銘柄を徹底予想!日刊株式投資情報新聞(無料)メルマガ登録受付中!(2012/07/20)
※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク
