トヨタ、高度道路交通システム実験場を静岡県に新設 本格運用を開始

2012年11月12日 14:06

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ITS実験場(写真:トヨタ自動車)

ITS実験場(写真:トヨタ自動車)[写真拡大]

  • 路車間通信のサンプル画像(写真:トヨタ自動車)

 トヨタ自動車は12日、ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)技術を活用して交通事故の低減を目指す「ITS実験場」を、トヨタの東富士研究所(静岡県裾野市)に新設し、本格運用を開始したと発表した。

 今回新設したITS実験場では、3.5haの敷地内に一般道路や信号機を忠実に再現した市街地コースを整備。さらに、総務省より2011年12月にITS向け周波数として割り当てられた700MHz帯の電波が利用可能な路車間通信装置、車両検知装置、歩行者検知装置、コース監視装置、交通信号機・制御装置などを設置している。なお、700MHz帯の電波は回折しやすく広範囲に送受信できるため、見通しの悪い交差点でのクルマとの通信などに有効。

 トヨタはITS実験場の本格運用により、市街地や交差点でのクルマ・歩行者との事故防止を目指した安全運転支援システムや、燃費向上を目指した環境システムの研究・開発を加速する。クルマと道路インフラ(路車間)に加えて、クルマとクルマ(車車間)、あるいはクルマと歩行者(歩車間)が直接通信し、連続的に情報交換することによって、見通しの悪い交差点でのクルマや歩行者との事故防止を目指した次世代のインフラ協調型安全運転支援システムの研究・開発を進める。専用のITS実験場において、道路環境が様々に変化する公道では実施困難な試験・評価を繰り返し実施することで、より信頼性の高いシステムの早期実用化を目指す。

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