【アナリストの眼】モブキャスト、「ガチャ」とは無縁、スポーツ分野特に強さ、割安

2012年9月12日 09:17

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【今、この銘柄】

  モブキャスト <3664> (東マ)は、スマートフォンやフィーチャーフォン(従来型携帯電話)などのモバイル端末向けに、自社開発のエンターテインメントプラットフォーム「mobcast」を運営し、ソーシャルゲームの自社開発も展開している。SNS、ソーシャルゲームともに「スポーツ」分野に特化していることも特徴で、12年6月末のソーシャルゲーム会員数は240万人超となっている。

  足元の業績は好調に推移している。8月7日に今期(12年12月期)通期見通しの増額修正を発表し、売上高が前期比2.2倍の45億円、営業利益が同2.2倍の11億25百万円、経常利益が同2.2倍の11億15百万円、純利益が同38.2%増の6億69百万円となる模様だ。自社開発の既存タイトルであるオンラインプロ野球ゲーム「モバプロ」とオンライン競馬ゲーム「モバダビ」が好調であり、7月10日に配信を開始した新タイトルのオンラインサッカーゲーム「モバサカ」も寄与する模様だ。ソーシャルゲーム関連では「コンプガチャ」廃止問題が懸念されているが、同社のゲームは「コンプガチャ」を使用していないため収益に直接の影響はない。

  株価の動きを見ると、9月3日と4日に1355円まで調整する場面があった。その後は概ね安値圏1400円~1500円近辺で推移している。IPO人気が一巡した形だろう。ただし7月30日に付けた上場来安値1260円を割り込むことなく、下値を切り上げて調整一巡感も強めている。9月11日の終値1570円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS109円47銭で算出)は14~15倍近辺、実績PBR(第2四半期末実績の連結BPS199円29銭で算出)は7~8倍近辺となる。

  足元では初値の2301円を下回った水準だが、公開価格の800円は依然として大幅に上回った水準である。6月26日の新規上場から2カ月半が経過して利益確定売りはほぼ一巡したと考えられ、日足チャートで見ると25日移動平均線を回復して下値での調整一巡感も強めてきた。今期の好業績見通しを再評価するタイミングだろう。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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