【アナリストの眼】ヒト・コミュニケ、利回り4%、PER5倍の割安、大型案件寄与も

2012年9月11日 09:13

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【今、この銘柄】

  人材サービスのヒト・コミュニケーションズ <3654> (東2、JQS)は、ブロードバンドやモバイル分野を中心としてアウトソーシング事業、人材派遣事業、人材紹介事業などを展開している。さらに、拠点新設による事業エリア拡大、太陽光発電や観光など新規分野への進出、中国への事業展開など、収益基盤強化に向けた戦略を加速させている。

  今期(12年8月期)第3四半期累計(11年9月~12年5月期)の売上高は前年同期比11.4%増収で、業容拡大が続いている。商材別売上高を見ると、家電が地デジ特需一巡などで同18.1%減収だったが、主力のブロードバンドが同8.8%増収、モバイルが同29.9%増収だった。高速無線LAN関連やスマートフォン関連が好調を維持している。ストアサービスは太陽光発電関連の販売受付などが寄与して同33.8%増収、その他は大手通信会社のコールセンターや試験監督業務の大型案件などが寄与して同42.0%増収だった。

  また第3四半期累計は人件費や経費の増加などで減益だったが、通期会社予想に対する進捗率は営業利益が78.0%、経常利益が77.8%、純利益が83.0%である。順調な水準であり通期上振れの可能性もあるだろう。

  なお、7月24日に東証2部市場に上場したため、8月17日に重複上場を解消するため大証ジャスダックの上場廃止を申請している。大証ジャスダックに関しては整理銘柄に指定された日から原則1カ月後に上場廃止となり、東証2部市場での単独上場となる。

  株価の動きを見ると、8月17日には1090円を付けたが、反落して9月10日には850円まで下落する場面があった。9月10日の終値870円(東2)を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想EPS163円08銭で算出)は5~6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間41円で算出)は4%台後半、実績PBR(前期実績BPSに対して5月1日付の株式分割を考慮したBPS796円60銭で算出)は1.1倍近辺となる。

  日足チャートで見ると、1000円割れ後はほぼ一本調子に下落して軟調展開となっている。特に悪材料は見当たらないが、配当権利取り後の反動に加えて、市場全体の地合い悪化に引きずられた形だろう。ただし今期の好業績見通しや通期上振れの可能性に加えて、指標面の割安感にも見直し余地があるだけにほぼ底値圏と考えられる。反発を狙う局面だろう。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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