【外国為替市場を検証:ユーロ・円相場】週後半はリスク回避のユーロ売り優勢

2012年7月7日 17:59

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【外国為替市場フラッシュ:7月2日~6日のユーロ・円相場】

■1ユーロ=97円60銭台~101円00銭台のレンジで推移

  7月2日~6日のユーロ・円相場については、概ね1ユーロ=97円60銭台~101円00銭台のレンジで推移した。週末29日の海外市場で、終盤は1ユーロ=97円90銭近辺だった。

  今週は、週初にユーロ買い戻しが一巡した後、4日の米国市場の休場(独立記念日)、5日のECB(欧州中央銀行)理事会、6日の米6月雇用統計などで様子見ムードが強く、概ね1ユーロ=100円近辺で小動きの展開となった。

  しかし、5日のECBによる政策金利引き下げ発表や、スペインとイタリアの10年債利回り上昇で、ユーロ売り優勢の流れとなった。米6月雇用統計で非農業部門雇用者増加数が市場予想を下回ったことも、リスク回避のユーロ売り・円買いにつながった。

  ユーロ・円相場の1週間の動きを振り返ってみよう。前週末6月29日の海外市場では1ユーロ=101円40銭近辺に円が下落する場面があった。EU首脳会議の合意内容がポジティブサプライズとなり、リスク回避姿勢が後退してユーロが対ドル、対円ともに買い戻された。ユーロ買い戻しが一巡してモミ合う場面もあったが、その後は再びユーロ買い戻し優勢の流れとなり、終盤は1ユーロ=101円00銭近辺だった。

  この流れを受けて週初7月2日の東京市場では概ね1ユーロ=100円30銭台~101円00銭台で推移した。ユーロ買い戻しは朝方に一巡してユーロ売り・円買いが優勢になった。終盤は1ユーロ=100円60銭台だった。2日の海外市場では概ね1ユーロ=99円70銭台~100円60銭台で推移した。序盤はスペイン10年債利回り低下を受けてユーロ買い戻し優勢の場面もあったが、ESM(欧州安定メカニズム)による流通市場での国債買い入れについて、フィンランドとオランダが反対の姿勢を表明したことを受けて警戒感が広がり、ユーロ売りが優勢になった。終盤は1ユーロ=100円00銭近辺だった。

  3日の東京市場では概ね1ユーロ=99円90銭台~100円60銭台で推移した。豪5月住宅建設許可件数を受けて豪ドルが買われた流れでユーロ買い・円売りが優勢だった。終盤は1ユーロ=100円30銭台だった。3日の海外市場では概ね1ユーロ=100円20銭台~80銭台で推移した。4日の米国独立記念日を控えて様子見ムードが強く小動きだったが、徐々にユーロ買い・円売りが優勢になった。終盤は1ユーロ=100円60銭近辺だった。

  4日の東京市場では概ね1ユーロ=100円20銭台~60銭台のレンジで推移した。米国市場休場やECB理事会を控えて動意に乏しく小動きだった。終盤は1ユーロ=100円30銭台だった。4日の海外市場では概ね1ユーロ=99円70銭台~100円30銭台で推移した。ユーロ圏6月総合PMI改定値などの経済指標を受けて、ややユーロ売りに傾く場面があったが、米国市場が休場のため概ね小動きだった。終盤は1ユーロ=100円00銭~10銭近辺だった。

  5日の東京市場では概ね1ユーロ=99円70銭台~100円20銭台で推移した。午前はユーロ買い・円売りがやや優勢の場面もあったが、午後は逆にユーロ売り・円買いがやや優勢になった。終盤は1ユーロ=99円70銭台だった。5日の海外市場では1ユーロ=98円70銭台に円が上昇した。スペイン10年債落札利回り上昇やECBの政策金利引き下げ発表を受けて、ユーロ売り優勢の展開になった。終盤は1ユーロ=99円00銭近辺だった。

  6日の東京市場では概ね1ユーロ=98円80銭台~99円00銭台で推移した。ユーロ売りの動きは落ち着いたが、米6月雇用統計を控えて小動きだった。終盤は1ユーロ=98円90銭台だった。6日の海外市場では1ユーロ=97円60銭台に円が上昇した。スペインとイタリアの10年債利回りが上昇したためユーロ売り・円買いが優勢になった。終盤は1ユーロ=97円90銭近辺だった。

  ユーロ・円相場に関しては、ギリシャ問題やスペイン問題に対する警戒感が根強い状況に大きな変化はなく、EU首脳会議の合意内容がポジティブサプライズとなってユーロが買い戻された流れも早々に一巡した。

  さらに、ECBによる政策金利引き下げ発表、スペインとイタリアの10年債利回り上昇、低調な米6月雇用統計などで、リスク回避のユーロ売り優勢の流れとなった。引き続き主要国・地域の政策対応に対する思惑や期待感が焦点だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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