インテージ:12年3月期の売上は微増、営業利益は前年同期比5億80百万円の減益

2012年5月30日 14:46

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■12年3月期決算説明会を開催

  市場調査のインテージ <4326> は21日、12年3月期決算説明会を開催した。

  代表取締役会長田下憲雄氏より、12年3月期の決算概要、今後の成長戦略、今期13年3月期業績見通しの順で説明が行われた。

  12年3月期連結業績は、売上高366億58百万円(前年同期比0.3%増)、営業利益28億85百万円(同16.7%減)、経常利益28億59百万円(同16.8%減)、純利益13億25百万円(同30.8%減)と売上に関しては、微増ではあるが前年を上回った。

  利益に関しては、東日本大震災の影響で、第1四半期は各分野で受注量が減少した一方、電力の安定供給のため、電源車の長期間確保や自家発電設備の導入による費用が嵩み、販管費が78億98百万円(同12.0%増)となった。また、消費者パネル調査に対する開発投資の継続やデータマネジメント・解析業務の受注量の減少もあり、11年3月期の営業利益に対して、市場調査・コンサルティング事業2億84百万円の減益、医薬品開発支援事業2億98百万円の減益、システムソリューション事業2百万円の増益となり、前年同期比5億80百万円の減益となった。

■買収、子会社設立に使った費用は約20億円

  前期は投資が4件あった。まず、タイのリサーチダイナミクスを買収して、新生インテージ・タイを発足した。次に、ベトナムの調査会社FTAの買収を行い、更に、アスクレップの建て直しのためCRO企業のPPCJを買収した。また、NTTドコモと業務提携し、ドコモ・インサイトマーケティングを設立した。買収、子会社設立に使った費用は、約20億円となった。

  そのため、総資産は277億30百万円(同30億70百万円増)と大幅に増えている。内訳は、流動資産155億91百万円(同11億20百万円増)、固定資産121億39百万円(同19億50百万円増)。

  流動資産の増加は、主に「現金及び預金」「受取手形及び売掛金」の増加による。固定資産の増加は、主に「投資有価証券」「のれん」の増加による。

  純資産は145億17百万円(同7億60百万円増)となり、自己資本比率は3.5ポイント低下したものの52.3%と健全。

  セグメント別の売上高の状況は、市場調査・コンサルティング事業261億90百万円(同3.5%増)、システムソリューション事業49億32百万円(同4.9%減)、医薬品開発支援事業55億35百万円(同8.4%減)。

  市場調査・コンサルティング事業の売上の内訳は、カスタムリサーチ分野109億20百万円(同5.5%増)、パネル調査分野152億60百万円(同2.0%増)。

  セグメント別の営業利益は、市場調査・コンサルティング事業では、カスタムリサーチ分野は増収増益となったが、パネル調査分野では消費者パネルのサンプル拡大、新たなデータ提供システムの開発投資等を継続していることから減益となり、25億68百万円(同10.0%減)であった。

  システムソリューション事業は、減収であったがコスト管理を徹底したことで、1億60百万円(同1.3%増)。

  医薬品開発支援事業は、データマネジメント・解析業務の減収が影響したことで、1億55百万円(同65.6%減)と大幅減益となった。

■次の50年で更に成長するために、第10次中期経営計画を策定

  前期は、東日本大震災の影響と、アスクレップの大不振で減益となったが、今後の成長戦略としてどのような計画を持っているのか引き続き説明が行われた。 

  2010年に50周年を迎えたインテージグループでは、次の50年で更に成長するために、第10次中期経営計画を策定しており、グループ重点課題として、(1)事業の持続的成長戦略の推進、(2)グローバル化の推進、(3)THE INTAGE WAYの定着と深化、(4)自立したPro人財の育成、(5)危機管理の徹底とグループ団結力の強化の5点を掲げている。

  この中の1番と2番について1年間の経過を踏まえた現時点での展望について説明が行われた。

■業界別SBUへの取り組みによる顧客深耕と競争力の強化は着実に進む

  今後の成長戦略のポイントは、「業界別戦略の徹底」、「モバイルやクロスメディアなど新規領域への挑戦」、「アジアにおける成長モデルの構築」、「ヘルスケア関連領域の拡大」の4つ。

  業界別戦略の徹底については、業界別SBU(戦略的事業単位)への取り組みによる顧客深耕と競争力の強化は着実に進んでいる。市場調査・コンサルティング事業、システムソリューション事業、医薬品開発支援事業の3セグメントをベースにFMCG(一般消費財)、DCG(耐久消費財)、ヘルスケアと顧客の業界をより細やかに分類し、専門的に対応する「棲みこみ」を強化することで、顧客の課題解決に向けた効果的なサービスを実施している。

  FMCG事業本部では、パネルとカスタムリサーチの融合が結実し、顧客のビジネスパートナーとしての期待が高まっている。また、SCIからSCI-personalへの切り替え、新提供システム「i-Canvas」の顧客導入も順調に進んでいる。

  DCG・サービス事業本部では、通信・自動車・旅行業界などで業界別プラットフォーム構築が進展している。

  ヘルスケア事業本部では、PHR(パーソナル・ヘルス・レコード)など、新規事業領域への取り組みを開始したほか、医療分野に専門性を持つグループ会社のアンテリオによるへルスケアリサーチが拡大している。

■NTTドコモとの合弁で、ドコモ・インサイトマーケティングを設立

  モバイルやクロスメディアなど新規領域への挑戦に関しては、全国個人消費者パネル調査のSCI-personalは、2012年の1月から全国の15歳から69歳までの男女の50000人のデータを収集したサービスを開始した。情報を集めるだけにとどまらず、現在オンラインでのアクセスと購買の関係を分析する取り組みを行っており、既に4月よりデータ収集を開始している。顧客としては、販売サイトを持っている企業がメインターゲットである。インターネットだけでなく、その他のメディアとの接触状況との関係についても新しい事業領域として挑戦していく。

  また、NTTドコモとの合弁で、ドコモ・インサイトマーケティングを設立、モバイルシフトを推進していく(NTTドコモ51%、同社が49%の出資比率)。ドコモの5000万人のプレミアクラブ会員をベースに新しいリサーチ事業、コミュニケーションサービス事業を展開していく。基本的には企画運営を行う会社で、営業については同社とNTTドコモが担当する。売上予測としては、2017年70億円を目標としている。

  具体的なサービスについては、リサーチ事業では、クイックリサーチ、レコーディングリサーチ、リアルタイムリサーチ、スマホコミュニティ「生活者パネル」構想をあげている。スマートフォンを中心として、モバイルの特性を生かした、タイムリーな調査など、今まで不可能であったものを商品化していく。コミュニケーション事業では、調査データをベースにプロモーション領域などの新規事業を開拓することを検討している。2013年から本格的なサービスを開始する。

■8月にインドに子会社を設立する予定

  アジアにおける成長モデルの構築に関しては、昨年タイのリサーチダイナミクス、ベトナムのFTAを買収している。今年は、8月にインドに子会社を設立する予定。同社は、海外に進出するにあたって、グローバルオペレーションを可能とする仕組みを構築するための施策として、グローバルアカウントチームの強化、グローバルに通用するソリューションの開発と体系化、マネジメントの現地化とグローバル人材の育成、ISO20252による業務プロセスの標準化を挙げている。

  ヘルスケア関連領域の拡大に関しては、アスクレップの立て直しが課題のひとつだったが、12年1月にPPCJを買収し経営体制を刷新し、4月に統合を完了している。外部から役員を入れ、事業のフォーメーションを変更するなど既に改革の取り組みはスタートしている。また、国際臨床試験への対応が急務であり、既に中国ではアスクレップ・チャイナを設立しているが、韓国、台湾にもネットワークを広げて、東アジアにおける国際共同治験に対応できる体制を早急に構築する方針。

  以上の取り組みにより、今期13年3月期連結業績予想は、売上高402億25百万円(前期比9.7%増)、営業利益31億30百万円(同8.5%増)、経常利益30億88百万円(同8.0%増)、純利益17億56百万円(同32.4%増)と増収増益を見込む。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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