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【外国為替市場を検証:ユーロ・円相場】ユーロ圏景気減速懸念などで、ユーロ高・円安一服の展開
【外国為替市場フラッシュ:3月26日~30日のユーロ・円相場】
■終盤は1ユーロ=110円50銭~60銭近辺
3月26日~30日の週のユーロ・円相場は、概ね1ユーロ=108円50銭近辺~111円20銭近辺のレンジで推移した。基調としてユーロ高・円安の地合いに変化はないと考えられるが、ユーロ圏の景気減速懸念やスペインの国債利回り上昇などで、リスク回避のユーロ売り・円買いが優勢になる場面もあり、ユーロ高・円安やや一服の展開となった。週末30日の海外市場で終盤は1ユーロ=110円50銭~60銭近辺だった。
ユーロ・円相場の1週間の動きを振り返ってみよう。前週末23日の海外市場では、一時1ユーロ=108円50銭台に円が上昇する場面があった。欧米株式市場の下落を受けてリスク回避の円買いが優勢になった。その後はスペインの国債利回りが落ち着いた動きになったことや、欧米株式市場が上昇に転じたこともあり、ユーロ買い戻しがやや優勢となった。終盤は1ユーロ=109円30銭~40銭近辺だった。
こうした流れを受けて週初26日の東京市場では、概ね1ユーロ=109円50銭台~80銭台で推移した。やや手掛かり材料難でモミ合う展開だった。ドイツがEFSF(欧州金融安定基金)とESM(欧州安定メカニズム)の強化策への反対を取り下げる方針、との報道を受けてユーロが買われる場面もあったが、影響は限定的だった。終盤は1ユーロ=109円50銭近辺だった。26日の海外市場では1ユーロ=110円60銭台に円が下落した。独3月IFO企業景況感指数が109.8となり2月改定値の109.7に比べて上昇し市場予想も上回ったことや、独メルケル首相がEFSFとESMを並行して運用する案を受け入れる用意があると述べたことを受けて、ユーロ買いが優勢になった。終盤は1ユーロ=110円60銭近辺だった。
27日の東京市場では概ね1ユーロ=110円40銭台~90銭台で推移した。前日の海外市場の流れを引き継いで序盤はユーロ買いが優勢だったが、その後はユーロ売り・円買いがやや優勢になり、終盤は1ユーロ=110円40銭台だった。27日の海外市場では概ね1ユーロ=110円40銭台~111円20銭台で推移した。30日のユーロ圏財務相会合でEFSFとESMの融資能力拡充で合意する見通しとなったこと、スペイン国債利回りが落ち着いた動きになったこと、さらに日本の追加金融緩和観測が強まったことなどでユーロ買い・円売りが優勢になる場面があった。終盤は1ユーロ=110円70銭近辺だった。
28日の東京市場では概ね1ユーロ=110円10銭台~80銭台で推移した。中国・上海株式市場の下落などでリスク回避のユーロ売り・円買いがやや優勢になる場面もあったが、その後はユーロが買い戻された。終盤は1ユーロ=110円60銭近辺だった。28日の海外市場では概ね1ユーロ=109円80銭台~110円80銭台で推移した。週末30日のユーロ圏財務相会合を控えて、リスク回避のユーロ売り・円買いが優勢になる場面もあった。終盤は1ユーロ=110円40銭近辺だった。
29日の東京市場では概ね1ユーロ=109円90銭台~110円50銭台で推移した。新興国の景気減速懸念でユーロ売り・円買いが優勢になった。日本の3月上旬の貿易収支は538億円の赤字だったが、反応は限定的だった。終盤は1ユーロ=109円90銭台だった。29日の海外市場では、1ユーロ=108円70銭台に円が上昇する場面があった。ユーロ圏3月景況感指数が94.4となり2月改定値の94.5に比べて低下して市場予想を下回ったこと、スペイン国債利回りが上昇したこと、欧州株式市場が下落したことを受けてリスク回避のユーロ売り・円買いが優勢になった。しかしその後は、30日のユーロ圏財務相会合で金融安全網の資金基盤が7000億ユーロ規模に拡大するとの見通しが強まり、安心感につながってユーロ買いが優勢になった。終盤は1ユーロ=109円60銭~70銭近辺だった。
30日の東京市場では概ね1ユーロ=109円00銭台~80銭台で推移した。ギリシャのパパデモス首相の「新たな金融支援策が必要になる可能性を排除しない」との発言を受けて、リスク回避のユーロ売り・円買いが優勢になる場面もあったが、その後はEFSFとESMの規模増額観測などでユーロ買い戻しが優勢になった。終盤は1ユーロ=109円70銭近辺だった。30日の海外市場では1ユーロ=110円60銭近辺に円が下落した。ユーロ圏財務相会合が金融安定網(EFSFとESMの合計)融資能力の5000億ユーロから7000億ユーロへの拡充を決定したこと、スペイン政府が2012年予算の下で省庁歳出を16.9%削減するとの報道などを受けて、ユーロ買い・円売りが優勢になった。終盤は1ユーロ=110円50銭~60銭近辺だった。
ユーロ圏に関する動きを整理すると、26日に独メルケル首相が、EFSF(欧州金融安定基金)とESM(欧州安定メカニズム)を並行して運用する案を受け入れる用意があると述べ、従来の反対姿勢を転換した。そして30日のユーロ圏財務相会合では、金融安定網(EFSFとESMの合計)融資能力を5000億ユーロから7000億ユーロ(=EFSF2000億ユーロ+ESM5000億ユーロ)に引き上げることを決定した。EFSM(欧州金融安定化メカニズム)が拠出した490億ユーロ、およびギリシャに対する530億ユーロの2国間融資を加えると、ユーロ圏は8000億ユーロのファイアウォール(防火壁)を構築することになったとしている。また30日には、スペイン政府が2012年予算の下で省庁歳出を16.9%削減することを明らかにした。
ユーロ圏の景気減速懸念やスペインの国債利回り上昇などで、一時的にリスク回避の円買いが優勢になる場面もあり、ユーロ高・円安一服の展開となったが、週末30日の海外市場では金融安定網拡充の決定を受けて、終盤は1ユーロ=110円50銭~60銭近辺に円が下落しており、基調としてユーロ高・円安の地合いに変化はないと考えられる。
引き続きスペインの国債利回り動向に注意は必要だが、当面はユーロ圏の景気動向やECB(欧州中央銀行)の金融政策が焦点になりそうだ。4月4日のECB理事会と記者会見、6日の米3月雇用統計、9日の日本2月経常収支、9日~10日の日銀金融政策決定会合を控えて、様子見ムードを強める可能性もあるだろう。
当面の注目スケジュールとしては、4月2日の3月日銀短観、3日の米FOMC(連邦公開市場委員会)議事録(3月13日分)公表、4日の独2月鉱工業受注、ユーロ圏2月小売売上高、ECB理事会と記者会見、4日~5日の英中銀金融政策委員会、6日の米3月雇用統計、9日の日本2月経常収支、9日~10日の日銀金融政策決定会合などがあるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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