【外国為替市場展望:ユーロ・円相場】ユーロ売り・円買い圧力緩和を想定

2012年2月5日 11:09

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【外国為替市場フューチャー:2月6日~10日のユーロ・円相場】

■ギリシャ債務交換交渉での波乱やECB理事会に注意

  来週(2月6日~10日)のユーロ・円相場については、ユーロ売り・円買い圧力の緩和でユーロ買い戻しやや優勢の展開を想定する。ただし、ギリシャ債務交換交渉や第2次支援策問題での波乱や、9日のECB(欧州中央銀行)理事会での政策金利引き下げに対する思惑などに注意が必要だろう。

  前週(1月30日~2月3日)のユーロ・円相場は、概ね1ユーロ=99円台~100円台で推移した。主要各国の国債入札が概ね順調な結果となり、利回りも落ち着いた状況となった。ギリシャ債務交換交渉に関しても合意に対する期待感が優勢だった。このためユーロ売り圧力が緩和された。ただし一方では、ECBの政策金利引き下げに対する思惑があり、ユーロ買い戻しも一服した。このため1ユーロ=100円を挟む小幅レンジで、方向感に欠ける展開となった。週末2月3日の海外市場で終盤は1ユーロ=100円80銭近辺だった。

  ユーロ圏債務危機問題に関する前週の動きを整理すると、ポルトガルの国債利回り上昇で警戒感を強める場面もあったが、主要各国の国債入札が概ね順調な結果となり、利回りも概ね落ち着いた状況となった。ギリシャ債務交換交渉に関しては、合意が近いとの報道が相次ぐ一方で、合意が遅れていることに対する警戒感も指摘されたが、概ね合意に対する期待感が優勢だった。30日のEU首脳会議では、25カ国がユーロ圏諸国の財政規律強化を狙う新財政協定を締結することで合意したが、市場の反応は限定的だった。

  ギリシャ債務交換交渉が合意に向けて進展すれば、ユーロ売り圧力が一段と緩和し、ユーロ買い戻し・円売りが優勢になる可能性もあるだろう。ただし、合意に対する期待感をある程度織り込んでいるため、2月13日の最終案提示期限に向けて波乱に注意も必要だろう。さらに、主要各国の国債入札や利回りの動向には引き続き注意が必要であり、9日のECB理事会での政策金利引き下げへの思惑で、一旦はユーロ売りにつながる可能性もあるだろう。

  当面の注目スケジュールとしては、6日の仏短期債入札、7日の豪中銀理事会、仏12月貿易収支、米12月消費者信用残高、米3年債入札、8日の日本11年12月と11年経常収支、独12月貿易収支、独5年債入札、米10年債入札、9日の韓国中銀金融政策決定会合、中国1月CPI・PPI、英12月貿易収支、英中銀金融政策委員会(2日目、金利発表)、ECB理事会(金利発表)と記者会見、米新規失業保険申請件数、米30年債入札、10日の豪中銀金融政策声明、中国1月貿易統計、仏12月経常収支、米12月貿易収支、米1月財政収支、米2月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値などがあるだろう。なお6日に開催予定だったユーロ圏財務相会合については、ユンケル議長が「6日に開催しないが、週内に開催する可能性がある」としている。

  その後の注目イベントとしては、13日のギリシャ債務交換の最終案提示期限、オバマ米大統領の2013会計年度予算教書発表、15日のユーロ圏10~12月期GDP速報値、19日のギリシャ総選挙、20日のユーロ圏財務相会合、21日のEU財務相理事会、25日~26日のG20財務相・中央銀行総裁会議などが予定されている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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