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【外国為替市場を検証:ドル・円相場】EU首脳会議の結果に反応は限定的
【外国為替市場フラッシュ:12月5日~9日のドル・円相場】
■ユーロ問題に関心が集中し、概ね1ドル=77円台後半で小動き
12月5日~9日の週のドル・円相場は、市場の関心がユーロ圏債務危機問題に集中したため、概ね1ドル=77円台後半のレンジで小動きだった。8日のECB(欧州中央銀行)理事会後に、1ドル=77円10銭台に円が上昇する場面もあったが、一時的な動きだった。8日~9日のEU首脳会議の結果に対しても反応は限定的だった。
ドル・円相場の1週間の動きを振り返ってみよう。前週末2日の海外市場では、概ね1ドル=77円70銭近辺~78円10銭近辺で推移した。米11月雇用統計の改善を受けて、序盤はドル買い・円売りが優勢となった。その後は1ドル=77円80銭台でモミ合う展開だったが、終盤はユーロ売り・ドル買いの流れが波及してドル買い・円売りが優勢となり、1ドル=78円00銭近辺だった。
この流れを受けて週初5日の東京市場では、概ね1ドル=77円90銭近辺~78円10銭近辺で小動きだった。独仏首脳会談を控えて様子見ムードを強めた。4日にモンティ伊首相が300億ユーロ規模の緊縮財政策を発表したが反応は限定的だった。5日の海外市場では、1ドル=77円70銭台~78円00銭台で推移した。終盤はリスク回避のドル売り・円買いが優勢となり、1ドル=77円80銭近辺だった。米11月ISM非製造業景況指数は52.0となり前月の52.9から低下して市場予想も下回った。米10月製造業新規受注は前月比0.4%減少したが市場予想とほぼ同水準だった。いずれも市場の反応は限定的だった。
6日の東京市場では、概ね1ドル=77円60銭台~80銭台で推移した。格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、トリプルAとしているドイツやフランスを含むユーロ圏15カ国の国債格付け引き下げの可能性を発表したため、序盤はリスク回避のドル売り・円買いが優勢だった。しかし終盤は1ドル=77円70銭台で小動きとなった。6日の海外市場では、概ね1ドル=77円60銭台~80銭台で推移した。方向感がなく狭いレンジでモミ合う展開だった。S&Pが前日のユーロ圏15カ国の国債格付け引き下げの可能性に続き、EFSF(欧州金融安定基金)債の格付け引き下げの可能性を発表したが、市場の反応は限定的だった。
7日の東京市場では、概ね1ドル=77円60銭台~70銭台で推移した。序盤には主要通貨に対するドル売りの流れが波及したが、8日のECB理事会と8日~9日のEU首脳会議を控えて様子見ムードを強めた。7日の海外市場では、概ね1ドル=77円60銭台~70銭台で推移した。様子見ムードが強く小動きだったが、ドル売り・円買いがやや優勢だった。S&PがEUや欧州主要銀行の長期債格付けを引き下げる方向で見直すと発表したが、市場の反応は限定的だった。
8日の東京市場では、概ね1ドル=77円50銭~70銭近辺の狭いレンジで推移した。ECB理事会を控えて様子見ムードを強めたが、終盤にはドル売り・円買いがやや優勢だった。10月機械受注で船舶・電力を除く民需が前月比6.9%減少し、2カ月連続の減少となって市場予想のレンジ下限を下回ったが、市場の反応は限定的だった。8日の海外市場では、1ドル=77円10銭台に円が上昇する場面があった。ECB理事会での0.25%の政策金利引き下げは織り込み済みだったが、ユーロ圏経済が来年マイナス成長に陥るとの予測に加えて、ドラギECB総裁が記者会見で重債務国の国債購入拡大に否定的な姿勢を示したため、失望感が広がりリスク回避の動きが強まった。ただし動きは一時的で、終盤には1ドル=77円60銭~70銭近辺に戻した。米新規失業保険申請件数は38.1万件となり、前週比2.3万件減少して市場予想以上に改善したが、市場の反応は限定的だった。
9日の東京市場では、概ね1ドル=77円50銭台~70銭台で推移した。EU首脳会議に関する報道で強弱材料が交錯する中で、中盤にはドル売り・円買いが優勢になる場面もあったが、終盤は1ドル=77円70銭近辺だった。9日の海外市場では、概ね1ドル=77円50銭台~70銭台で推移した。EU首脳会議の結果を受けても積極的なユーロ買いにつながらず、ドル・円相場も小動きに終始した。米10月貿易収支は貿易赤字が434億ドルとなり前月比1.6%減少して市場予想以上に改善し、米12月ミシガン大学消費者信頼感指数は67.7となり11月の64.1から上昇して市場予想も上回った。ただし市場の反応は限定的だった。終盤は1ドル=77円60銭近辺だった。
ドル・円相場に関しては、リスク回避の円買い圧力、FRBの量的緩和策第3弾(QE3)に対する思惑、ドル買い・円売り市場介入への警戒感などが交錯する状況に大きな変化はないが、市場の関心がユーロ圏の債務危機問題に集中したため、動意に乏しく概ね1ドル=77円台後半で小動きだった。
注目された8日~9日のEU首脳会議では、財政規律を強化するための新たな財政協定、IMF(国際通貨基金)に対する融資、ESM(欧州安定メカニズム)の前倒し稼働などを合意した。この結果に対しては、即効性などの面で十分とは言えないため外国為替市場の反応は限定的だったが、財政統合に向けて一定の成果が得られたとして欧米株式市場は好感する動きとなっている。
当面は13日の米FOMC(連邦公開市場委員会)が焦点となるが、米国の堅調な主要経済統計を受けて2番底に対する警戒感が後退しているため、追加緩和観測は後退している。一方では、世界的な景気減速懸念を受けて主要各国の金融緩和の動きも鮮明になっている。ユーロ圏債務危機問題に対する警戒感の後退でリスク回避の動きが弱まるかも注目点だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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