【話題】オリンパスの「調査報告書」、不法行為は「企業ぐるみではない」

2011年12月6日 19:24

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

★第三者委員会が調査報告書発表

  社会的に強い関心を集めている、オリンパス <7733> の「飛ばし」などの一連の不透明取引について調査していた外部有識者による「第三者委員会」は、6日(火)15時に「調査報告書」を発表。

  オリンパスも同委員会から報告書を受領したと発表し、「損失分離スキームによって飛ばした1177億円の損失および当該スキームの維持費用等に充当された額は合計1348億円にのぼった。しかし、新たな簿外債務や水増しされた資産は見つからなかったこと、反社会的勢力の関与も認められなかったことが記載されている。指摘を真摯に受け止め具体的な財務数値を確定させた上で、速やかに平成19年から平成23年までに提出した有価証券報告書等の訂正報告書を提出する。2012年3月期・第2四半期(4~9月)決算発表についても12月14日までに行う予定」などのコメントを発表した。

  6日(火)のオリンパス株価は前日終値比99円高の1190円。高値は前場9時24分に164円高の1255円まであった。元オリンパス社長のウッドフォード氏が社長を解任された10月14日以降の株価暴落で11月11日には424円の歴史的安値まで下げていた。

  オリンパスの調査に当った「第三者委員会」のメンバー(委員)は、元最高裁判所判事・元東京高等検察庁検事長の甲斐中辰夫氏を委員長に合計6名。調査報告書は要約版だけでもA4版24ページと図表2枚からなる。

  委員会の調査目的は、ジャイラス及び本件国内3社の買収に関する一切の取引に関して、オリンパスに不正ないし不適切な行為があったかどうか。そのうえで、投資家、株主、取引先等のステークホルダーに対し上場企業としての責任を明らかとすることにあった。ただ、同委員会は、「責任追及」までは目的としていない。

  オリンパスは1985年以降の急速な円高によって大幅に営業利益が減少したことを受け下山敏郎社長時代に当時隆盛となっていた「財テク」を重要な経営戦略と位置づけ金融資産の積極的な運用に乗り出したことが今回の問題の発端ということだ。1990年代後半に1000億円弱に達した含み損を隠蔽するため、ファンドを設立して損失を本体から切り離す「飛ばし」、さらに、そのファンドへの資金のためにM&Aをつかった資金捻出を行った。

★関係者には法的責任、「株主」に訴訟の動きも!

  報告書は、当時、上場企業等の間で、「財テク」がブームだった点を指摘しながらも、しかし、バブル崩壊後の運用失敗では、多くの優良企業が真正面から正直に損失処理に取り組み、本業回帰に取り組んだのに対し、同社は「隠蔽」の道を選んだことが問題であり不法行為であると指摘した。

  そのうえで、不法行為に加担した「関係者」は株主や取引先、ひいては日本企業全体の信用を失墜させたことを考えると「法的責任」は追及されるべきであると指摘せざるを得ないとしている。

  また、オリンパスに対しては、報告書は「もともと真面目な従業員と高い技術力を有する企業であった。(今回のことは)、企業ぐるみで不祥事が行われたわけではない」と結んでいる。

  法的責任は一部の役員等の関係者であり、企業ぐるみではない、という点は、今後にとって大きい視点である。このため、12月14日までに中間決算が発表されるなら上場廃止は避けられる可能性は強いといえる。

  ただ、投資家、とくに同社を信じて長期に保有してきた「株主」にとっては収まらない話だろう。2007年10月には5320円という高値をつけており、株主の損害は大きい。むろん、会社の決算がインチキだったということなら投資家の自己責任を問うことはできない。法的責任論ということになれば、投資家には賠償訴訟に動く人も予想されるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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