関連記事
「国がつぶれても生き残る」配当取りを狙う銘柄のリストアップを提案=浅妻昭治

「日本が潰れてもトヨタだけは生き残る」といわれた時期があった。日本での一人勝ちしたどころか、世界の自動車業界でもトップに君臨したのだから、トヨタ自動車<7203>(東1)の底力を自他ともに認める言い方であった。[写真拡大]
【浅妻昭治(株式評論家・日本インタビュ新聞社記者)のマーケット・センサー】
「日本が潰れてもトヨタだけは生き残る」といわれた時期があった。日本での一人勝ちしたどころか、世界の自動車業界でもトップに君臨したのだから、トヨタ自動車<7203>の底力を自他ともに認める言い方であった。同社には、もともと独特のビジネスモデルと経営手法が継承されていて、「全社員が1年中毎日、運動会をやっていても困らない」とか「石橋を叩いても渡らない」とかの「トヨタ神話」が流布していて、同様に羨望と妬みも入り混じるもう一つの神話が上乗せされたのである。
なぜ「トヨタ神話」の話をするかといえば、日本はともかく、いまや国家が、財政破綻、デフォルト(債務不履行)するソブリン・リスクが目の前に迫ってきているからである。ギリシャに端を発した債務危機が、イタリア、スペイン、フランスと波及し、最も安全とされたドイツでも、国債の入札で募集額に投資家の需要が届かない「札割れ」が起こり、これが日本の長期金利の上ぶれにまで波及してきた。
「リーマン・ショック」このかた、リスク回避の「質への逃避」では、原油先物が買われ、金先物取引に投資資金が流入し、このコモディティ投資が、ヘッジ機能を喪失しつつあるなか、ラスト・リゾート(最後の拠り所)として向かったのが健全財政国のドイツ、日本の国債である。その国債から資金が流出しようとしているのである。
こうなるともうこの先は、あの日本のバブル崩壊後の「失われた10年」の再現を危惧せざるをえない。危ない銀行への取り付け騒ぎや危ない生保の解約が殺到し、現金化したキャッシュが預け先・投資先の選別に困窮する資金の大流動が起こった。まさにあのときの「ジャパン・スタンダード」が、いまや欧州を舞台に「グローバル・スタンダード」として再現されるのかもしれないのである。今回の国債を売った投資資金に向かう先があるのか、いささか心配になる。株離れからコモディティ、国債と循環した投資資金が、もし1回転して株式市場に還流してくれるならば、これ以上の僥倖はない。
「朝の来ない夜はない」、「夜明け前が一番暗い」などと当時盛んに口にされていた希望的観測をまた繰り返す積もりはないが、ここはあのFPのように、「国がつぶれても生き残る」トヨタのような銘柄のなかから配当取りを狙う銘柄をリストアップすることを提案したいのである。なかでも「困ったときはバイオ株」、「安値で出る悪材料は買い」というアノマリー(非合理的株価現象)は、十分に試してみる価値がありそうなのだ。(続きと詳細は「浅妻昭治のマーケットセンサー:メールマガジン」に掲載。果たして注目銘柄は?)(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)
【関連記事・情報】
・犬丸正寛の相場格言~データでは説明できない先人の知恵をもとに株式投資で大成功~(2011/08/10)
・株式評論家・浅妻昭治のマーケットセンサー(銘柄発掘の王道を伝授・注目株厳選)メルマガがスタート!登録受付中(2011/06/22)
・【太陽光発電関連特集2】さまざまな発電方式の種類が開発・量産(2011/07/20)
・【太陽光発電関連特集1】電力会社からの送電依存度を減らす小規模分散型電源(2011/07/20)
※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク
