【外国為替市場を検証:ユーロ・円相場】ユーロ圏主要国の国債利回り上昇でユーロ売り

2011年11月26日 17:52

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【外国為替市場フラッシュ:11月21日~25日のユーロ・円相場】

■週後半に1ユーロ=102円台に円が上昇

  11月21日~25日の週のユーロ・円相場は、ユーロ圏の債務危機問題に対する警戒感が強く、1ユーロ=102円台に円が上昇した。イタリア、スペイン、フランスの国債利回り上昇、フランス国債格付け引き下げの噂に加えて、ドイツ国債入札で大幅な札割れとなったことや、ベルギーとポルトガルの国債利回りも上昇したことを受けて警戒感が一段と強まり、ユーロ売り優勢の展開だった。

  ユーロ・円相場の1週間の動きを振り返ってみよう。前週末18日の海外市場では、1ユーロ=104円10銭台に円が下落する場面があった。ECB(欧州中央銀行)によるイタリアとスペインの国債購入で、両国の国債利回り上昇が一服した。債務危機拡大に備えてECBがIMF(国際通貨基金)に救済資金を貸し付ける可能性が報じられたこともあり、ユーロ圏の債務危機問題に対する警戒感がやや後退してユーロ買い戻しが優勢になった。終盤は1ユーロ=103円90銭台だった。

  この流れを受けて週初21日の東京市場では、概ね1ユーロ=103円60銭近辺~104円10銭近辺で推移した。前日20日のスペイン総選挙で政権交代したが、欧州市場の反応を見たいとして様子見ムードを強めた。21日の海外市場では、1ユーロ=103円20銭近辺~104円20銭近辺で推移した。格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスがフランス国債利回りの上昇が格付けにマイナス影響を与える可能性を指摘したため、欧州株式市場が大幅に下落し、序盤はユーロ売りが優勢だった。ハンガリーがIMFと欧州委員会に金融支援を要請したとの報道もリスク回避の動きにつながった。しかし、ECBによる国債購入でイタリア国債利回りが落ち着いた動きとなったため、ユーロ買い戻しが優勢になる場面もあった。終盤は1ユーロ=103円70銭~80銭近辺だった。

  22日の東京市場では、1ユーロ=103円70銭近辺~104円30銭近辺で推移した。スペインの短期国債入札を控えて様子見ムードを強めたが、ユーロ買い戻しがやや優勢で、終盤は1ユーロ=104円10銭台だった。22日の海外市場では、1ユーロ=103円90銭台~104円20銭台で推移した。スペインの短期国債入札では、落札利回りが前回入札時に比べて大幅上昇して過去最高水準となったが、市場の反応は限定的だった。IMFが6カ月間の短期流動性を供給する融資制度「予防的流動性枠(PLL)」を創設すると発表したことなどでユーロ買い戻しがやや優勢だった。終盤は1ユーロ=104円00銭近辺だった。

  23日(東京市場は休場)の海外市場では、1ユーロ=103円10銭近辺に円が上昇した。ドイツ10年債の入札で落札額が募集額を大幅に下回る札割れとなり、ベルギー国債の利回りも急騰したため警戒感が強まりユーロ売りの展開となった。格付け会社フィッチ・レーティングスがフランス国債格付け引き下げの可能性を示唆したこと、フランス・ベルギー系金融大手デクシアの救済計画の先行き不透明感が広がったこと、ユーロ圏11月総合PMI(購買担当者景況指数)速報値が3カ月連続で50を下回ったこともユーロ売りにつながった。

  24日の東京市場では、概ね1ユーロ=102円90銭台~103円20銭台で推移した。様子見ムードも強めたが、ユーロ圏債務危機問題に対する警戒感でユーロ売り・円買いがやや優勢だった。24日の海外市場では、1ユーロ=102円70銭~80銭近辺に円が上昇した。独仏伊首脳会談後では、ユーロ安定に向けてEU各国への予算介入権を盛り込む条約改正案で一致したが、メルケル独首相がECBの役割拡大とユーロ共同債の発行について反対の立場を強調した。ベルギーとポルトガルの国債利回りが上昇したことや、格付け会社フィッチ・レーティングスがポルトガル国債の格付けを引き下げたことも警戒感につながった。独11月IFO業況指数は上昇したが、市場の反応は限定的だった。

  25日の東京市場では、1ユーロ=102円80銭台~103円20銭台で推移した。様子見ムードも強い中、メルケル独首相の発言を受けてユーロ圏債務危機問題の長期化が意識され、ユーロ売り・円買いがやや優勢だった。25日の海外市場では、1ユーロ=102円50銭近辺に円が上昇する場面もあった。イタリア短期国債入札で落札利回りがユーロ導入後の最高水準に上昇したことを受けて、ユーロ売りが優勢だった。終盤はややユーロが買い戻されて1ユーロ=102円80銭~90銭近辺だった。

  ユーロ圏の債務危機問題については、イタリア、スペイン、フランスの国債利回り上昇、フランス国債の格付け引き下げの噂などに続き、ドイツの10年債入札で大幅な札割れとなって利回りが上昇し、ベルギーやポルトガルの国債利回りも上昇したため、一段と警戒感が強まった。24日の独仏伊首脳会談後では、ユーロ安定に向けてEU各国への予算介入権を盛り込む条約改正案で一致したが、市場が期待するECB(欧州中央銀行)の役割拡大やユーロ共同債の発行については、メルケル独首相が反対の立場を強調したため債務危機問題が長期化するとの懸念が広がった。

  EFSF(欧州金融安定基金)の機能強化策の早期具体化、ECBによる国債買い取り拡大、ユーロ共同債の発行についての動きが今後のポイントになるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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