【話題】利回り5.6%でも下げ止まらぬ武田薬品工業、利回り重視の個人に不安

2011年11月17日 11:01

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

TDK<6762>(東1)は17日、急反発となり、朝方3510円(260円高)まで上げたあとも3470円前後で堅調。朝、通信社報道として、米ウェスタン・デジタル社が子会社を通じてTDKの子会社SAEマグネティクス社と提携したと伝えられたことを材料視した。

TDK<6762>(東1)は17日、急反発となり、朝方3510円(260円高)まで上げたあとも3470円前後で堅調。朝、通信社報道として、米ウェスタン・デジタル社が子会社を通じてTDKの子会社SAEマグネティクス社と提携したと伝えられたことを材料視した。[写真拡大]

  武田薬品工業 <4502> は、55円安の3205円と3日続落、年初来安値を大きく更新。このところの下げが急ピッチで、いっこうに下げ止まらないことからマーケットで不安の声が出ている。

  今期(2012年3月期)も年180円配当は継続の方針で、今朝の段階での予想利回りは実に「5.6%」と、1部銘柄の中ではトップクラス。それでも、下げ続ける株価だけに不安が高まるのも当然だろう。

  去る、11月4日の第2四半期(4~9月)決算で、今3月期の通期見通しを減額したことが響いている。営業利益を従来予想の3900億円から2700億円へ、1株利益も316.7円から215.3円へ、減額している。営業利益は前期比26.4%減益と、従来の増益予想から一転して大幅減益となる。

  薬品株は従来、内需関連株の代表格とみられてきた。それが、今では、同社の海外比率は約5割に達する輸出関連株で、円高など海外要因の影響を受ける。

  しかも、スイスの薬品会社を買収していることも人気的に響いているとの見方もある。「大型のM&Aだったこともあって、オリンパス<7733>(東1)のM&A問題以降、M&Aと聞くだけで個人投資家の間では身構える雰囲気がある」(中堅証券)という。

  3200円近い水準は2009年3月以来で、当時の安値は3130円。仮に、ここまで下がるようだと配当利回りは5.7%6%に近づく。この水準で下げ止まらないで、さらに下げることにでもなれば、「利回り買いを旨とする個人投資家」のマーケット離れを引き起こしてしまう心配がある。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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