【注目株】大王製紙:単純な個人の使い込みという調査結果で終われば、売りは終息

2011年11月14日 19:44

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  大王製紙 <3880> は本日(14日)から日証金の貸借取引停止となり、「貸株」などを利用した売り物はこれ以上増えないとの安心感から前場は一時ストップ高の513円(80円高)まで上げた。前日(11日)は、巨額の「使い込み」事件を受け、上場廃止に含みを持たせる「監理銘柄(確認中)」に指定されたためストップ安だった。

  10月3日に印刷用紙の値上げに伴う業績好転期待を背景に、年初来高値745円を示現。そこから調整に入っていたが、ここへきては第2四半期決算の報告書の提出が遅れたため監理銘柄に指定され、上場廃止への懸念から、処分売りが集中する展開になっていた。

  前取締役会長の辞任は9月16日に発表され、9月21日に大量の使途不明金についての特別調査委員会が設置されることが明らかになっている。その後10月3日に高値に買い進まれている流れを見ると、前取締役会長の大量借り入れについては、市場ではそれほど業績に影響を与えないと見ていたことになる。ところが11月11日に監理銘柄に指定されると堰を切ったように売り物があふれる状況に変わってきた。

  ただ、監理銘柄に指定されても別に上場廃止となるわけではないし、四半期決算も期限内に提出されるものと思われる。同社の実力からすれば、今回の不明金で目先的には業績ダウンするにしても、先行きは着実に吸収できそう。単純な個人の大量使い込みという調査結果で終わるならば、波乱場面もそう長引くことはなさそう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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