廣済堂、第2四半期決算は増収増益

2011年11月14日 11:00

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記事提供元:エコノミックニュース

 10月末に中間期予想と通期業績予想に上方修正を行った廣済堂 <7868> は注目の中、11月10日に平成24年度3月期第2四半期決算の発表を行い、増収増益(連結)とした。

 同社は連結の売上高を前年同期比1.7%増の181億9300万円と発表したが、その要因としては震災復興需要を伴う求人広告市場の復調が顕著だった人材関連事業と、堅調だった葬祭関連事業、そして出版関連事業の回復が印刷関連事業の落ち込みをカバーしたとしている。

 同営業利益は売上高同様、好調な部門に加え、印刷・出版関連事業の継続的な固定費削減の実施により、前年同期比145.3%増の18億2500万円、経常利益も254.2%増の17億900万円で大幅な増加傾向を見せた。そして、純利益は5億6500万円としている。

 セグメント別に見ると、業界全体が厳しい状況になっている印刷関連事業は、個別の売上高で今期は3%減収としており、同社においても例外ではない。

 デジタルメディアの登場などで、印刷業界を取り巻く状況は好転する材料を探しにくい現状であることは間違いない。そもそも、大日本印刷 <7912> と凸版印刷 <7911> の2大巨頭が8割近いシェアを持つこの業界は、この大手2社関連からの発注を業務のメインとする中小の印刷会社も少なくない。つまり、依存型の業界体質であり、雑誌等の出版物減少が原因で発注量も減り、加えて業務内製化の傾向になっていった結果、印刷用の機械など先行投資の大きさも重なり、業務廃止に追い込まれるケースも多く見られてきた。このような不況下ではあるものの、エレクトロニクス分野など印刷とは全く別の分野で利益を上げることができる経営資源の大きい大手2社は現在、新たな経営戦略を打ち立て、同業他社との差別化の道を歩み始めている。そんな背景の中、固定費削減を実施し、しかも目標を上回る成果をこの部門で見せた廣済堂の印刷関連部門は、減収ではあるが側面では評価できると言える。

 他の特徴的な事業部門にも力を注ぎ、上手くバランスを取った結果、増収・増益とした同社は印刷部門での収益構造改革も視野に入れており、その動向も注目される。

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