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【外国為替市場を検証:ドル・円相場】政府・日銀がドル買い・円売り市場介入を実施
【外国為替市場フラッシュ:10月31日~11月4日のドル・円相場】
■10月31日、1ドル=75円32銭まで円が上昇、直後に政府・日銀がドル買い・円売り市場介入を実施
10月31日~11月4日のドル・円相場(3日の日本市場は休場)では、31日早朝、オセアニア市場での時間帯に1ドル=75円32銭まで円が上昇し、円の戦後最高値を更新した。そして同日午前10時25分に日本政府・日銀がドル買い・円売り市場介入を実施したため、一時1ドル=79円台半ばに円が急落した。週後半は、ユーロ危機に対する警戒感、米FRB(連邦準備制度理事会)の追加緩和策観測、そしてドル買い・円売り市場介入への警戒感が交錯し、概ね1ドル=78円台前半で推移した。
ドル・円相場の1週間の動きを振り返ってみよう。前週末28日の海外市場では、米FRBの追加緩和策観測や、ユーロ危機に対する警戒感の後退でユーロ買い・ドル売りとなった流れが波及し、一時1ドル=75円68銭まで円が上昇する場面もあったが、概ね1ドル=75円70銭台~80銭台のレンジで推移した。
31日は、早朝のオセアニア市場での時間帯に1ドル=75円32銭まで円が上昇し、27日の海外市場で付けた1ドル=75円67銭を突破して円の戦後最高値を更新した。商いの薄い時間帯に仕掛け的な動きが出た模様である。東京市場では、1ドル=75円70銭近辺でスタートした後、午前10時25分に日本政府・日銀がドル買い・円売り市場介入を実施したため、一時1ドル=79円55銭まで円が急落した。終盤は1ドル=78円80銭近辺だった。31日の海外市場では、東京市場に比べてドル売り・円買い圧力が強まり、1ドル=77円90銭~78円20銭近辺で推移した。日本政府・日銀は海外市場でもドル買い・円売り市場介入を実施し、31日の介入規模は7~8兆円規模と推定され、過去最大規模となった模様である。
1日の東京市場では、ドル買い・円売り市場介入への警戒感で序盤に1ドル=79円00銭近辺に円が下落する場面もあったが、概ね1ドル=78円00銭~20銭近辺で推移した。1日の海外市場では、概ね1ドル=78円00銭~40銭近辺で推移した。1日~2日の米FOMC(連邦公開市場委員会)とバーナンキ米FRB議長の記者会見を控えて様子見ムードを強めた。ただしユーロ売り・ドル買いが波及し、終盤はドル買い・円売りがやや優勢だった。米10月ISM製造業景気指数は50.8で前月の51.6から悪化し市場予想も下回ったが、反応は限定的だった。
2日の東京市場では、概ね1ドル=78円10銭~30銭近辺で推移した。終盤はドル売り・円買いがやや優勢だった。2日の海外市場では、概ね1ドル=78円00銭を挟む小幅レンジで推移した。米FOMCで量的緩和策第3弾(QE3)が見送られたためドルが買われる場面があり、バーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長が追加緩和の選択肢としてMBS(住宅ローン担保証券)の購入に言及したためドルが売られる場面もあった。米10月ADP雇用リポートが前月比10万人増加となり市場予想を上回ったが、反応は限定的だった。
3日の海外市場では、1ドル=77円90銭近辺~78円10銭近辺で小動きだった。米新規失業保険申請件数が39万7000件と5週ぶりに40万件下回り、米10月ISM非製造業景況指数が52.9で市場予想を下回ったが影響は限定的だった。またECB(欧州中央銀行)が予想外の政策金利引き下げを発表し、ドラギ新総裁が記者会見でユーロ圏の景気下振れリスクを強調したが、ドル・円相場への影響は限定的だった。
4日の東京市場では、概ね1ドル=77円90銭台~78円10銭台で小動きだった。米10月雇用統計や、ギリシャ議会での内閣信任投票を控えて様子見ムードを強めた。4日の海外市場では、概ね1ドル=78円00銭~30銭近辺で推移した。東京市場に比べてドル買い・円売りがやや優勢になった。米10月雇用統計では失業率が9.0%と前月比0.1ポイント改善したが、依然として高水準だった。非農業部門雇用者数の増加は8.0万人にとどまり市場予想を下回ったが、8~9月分が大幅に上方修正された。またG20首脳会議では、EFSF(欧州金融安定基金)に対する各国からの協力確約の表明が得られず、IMF(国際通貨基金)の資金増強策に関して具体策の合意に至らなかった。ただし、ギリシャ議会での内閣信任投票やベルルスコーニ伊首相に対する辞任要求など政治的混迷が警戒される中で、ドル・円相場への影響は限定的だった。
ドル・円相場は、10月21日の海外市場で1ドル=75円78銭、25日の海外市場で1ドル=75円73銭、26日の海外市場で1ドル=75円71銭、27日の海外市場で1ドル=75円67銭、31日の早朝時間帯に1ドル=75円32銭まで上昇し、円の戦後最高値更新が続いたため、31日午前、日本政府・日銀がドル買い・円売り市場介入を実施した。そして一旦は円が下落し、週後半は概ね1ドル=78円台前半で推移した。しかしドル買い・円売り市場介入の効果持続には懐疑的な見方が多い。
リスク回避のドル売り・円買い圧力、QE3に対する思惑、円売り市場介入への警戒感などが交錯する状況に変化はない。しかし、バーナンキ米FRB議長が追加緩和の選択肢としてMBSの購入に言及し、ECBが予想外の政策金利引き下げを発表してドラギ新総裁がユーロ圏の景気下振れリスクを強調するなど、世界的な景気減速懸念を受けて主要各国の追加緩和の動きが鮮明になっている。ユーロ危機も政治的混迷を深めているだけに、円買い圧力が長期化する可能性は高く、ドル買い・円売り市場介入が継続的に実施されるかどうかが当面の焦点だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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