富士通と理研の共同開発スパコン「京」、毎秒1.051京回の計算達成

2011年11月2日 19:56

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「京」最新整備状況の写真(写真提供:富士通)

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 理化学研究所(以下「理研」)と富士通は2日、共同で開発中の京速コンピュータ「京(けい)」において、LINPACK性能10.51ペタフロップス(毎秒1.051京回=10,510兆回の浮動小数点演算数)を達成したと発表した。

 今回計測に用いた「京」のシステムは、864筐体(CPU数88,128個)をネットワーク接続した最終構成。実行効率は93.2%と、2011年6月に世界のスーパーコンピュータのランキングである第37回TOP500リスト(第1位)で登録した93.0%を上回った。

 「まだシステムソフトウェアの整備・調整など開発途上ではあるが、第3期科学技術基本計画における国家基幹技術である『京』の性能目標として定めたLINPACK性能10ペタフロップスを実現することができた」と富士通と理研はコメントしている。

 さらに、「今回、目標である10ペタフロップスを達成したこと、実行効率が前回の計測結果をさらに上回ることができたといった性能面だけでなく、88,128個のCPUなどから構成されるシステム全体が29時間28分にわたって無故障で動作したことは、世界最大級の超大規模システムの安定性を実証することになった」と述べ、「京」の性能とそのシステムの安定性を賞賛した。

 また、理化学研究所の野依良治理事長は、「わが国のさらなる発展の礎となる国家基幹技術としての京速コンピュータ『京』が、その目標であるLINPACK性能10ペタフロップスを達成し、高い技術力を示すことができたことを大変嬉しく思う。システム開発に全力で取り組んだ富士通株式会社はもとより、プロジェクトに関係する多くの方々の並々ならぬご尽力に感謝する。来年6月のシステム完成に向けて着実に整備を進め、10ペタフロップスという世界に誇れる計算性能を有する『京』の能力が十分発揮され、輝かしい成果を創出するよう、また、来秋には多くのユーザーへの共用開始につなげられるよう責任を持って取り組んでいく」とコメントしている。

 今回、2011年8月末に864筐体全ての搬入・据付が完了したシステム最終構成について、基本動作の確認と設計性能を確認するために、10月7日から8日にかけてベンチマーク・プログラムである「LINPACK」を用いて性能計測したところ、10.51ペタフロップス、実行効率93.2%を達成した。これらの結果を第38回TOP500リストに登録し、集計結果は、11月12日~18日に米国ワシントン州シアトルで開催されるハイパフォーマンス・コンピューティング(高性能計算技術)に関する国際会議SC11(International Conference for High Performance Computing, Networking, Storage and Analysis)で発表される。

 現在は、2012年6月の完成に向けて、大規模環境下におけるオペレーティングシステム(OS)、コンパイラなどシステムソフトウェアの整備・調整を行っている。また、国が戦略的に重要と定める分野で画期的な成果を早期に創出するため、2011年4月から「グランドチャレンジアプリケーション開発」や「戦略プログラム」に参加している研究者に対し、「京」の一部を試験利用環境として提供している。試験利用環境は、試験利用者のニーズにも可能な限り対応しており、「京」のシステム整備の進捗に合わせて徐々に拡大していくという。

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