【株式市況を検証】週後半には欧州や米国の株式市場の上昇を受けて警戒感がやや和らぐ形

2011年10月8日 20:10

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【株式市場フラッシュ:10月3日~7日の週の日本株式市場】

■日経平均株価、TOPIXともに週間ベースで2週ぶりに下落

  10月3日~7日の週の日本株式市場では、日経平均株価(225種)、TOPIXともに、週間ベースで2週ぶりの下落となった。日経平均株価は5日の取引時間中に8343円01銭まで下落する場面があり、東日本大震災直後の3月15日の8227円63銭以来の安値水準となった。TOPIXは5日の取引時間中に724.77ポイントまで下落し、3月15日の725.90ポイントを下回る場面があった。また終値は726.25ポイントとなり、9月26日の728.85ポイントを割り込んで年初来安値を更新した。

  ギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念や、ユーロ圏の金融システム不安が収束せず、主要経済指標に強弱感が交錯してリセッション(景気後退)に対する警戒感も根強い状況下で、引き続き海外要因に神経質な展開だった。ただし週後半には、欧州や米国の株式市場の上昇を受けて、警戒感がやや和らぐ形となった。

  ギリシャとユーロ圏に関する動きを見ると9月30日には、ドイツが今後のEFSF(欧州金融安定基金)の追加拡充案に否定的な姿勢を示した。10月3日には、ギリシャ政府が「11年、12年の財政赤字の対GDP(国内総生産)比率が目標を上回る見込みとなった」と発表し、ユーロ圏財務相会合ではギリシャへの融資第6弾の決定が先送りされた。4日には、英紙フィナンシャル・タイムズの「EU(欧州連合)各国の財務相が欧州金融機関の資本増強を協調して行なう方法を検討している」との報道が好感された。5日には、スロバキア議会でのEFSF機能拡充案の採決に関する不透明感や、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスによるイタリア格付け引き下げが嫌気されたが、一方では、メルケル独首相などEU首脳から域内銀行の自己資本増強についての発言が相次いだ。6日には、ECB(欧州中央銀行)理事会で利下げは見送られたが、銀行に対する流動性供給策の拡充を決定した。EU各国が域内銀行に対する資本注入に踏み切るとの観測も強まった。7日には、レーン欧州委員が「銀行資本増強策について10月のEU首脳会議で合意できる見通し」と発言し、金融システム不安後退への期待感を高めた。しかし、格付け会社フィッチ・レーティングスによるイタリアとスペインの格付け引き下げが警戒感につながった。

  米国の主要経済統計には強弱感が交錯している。9月30日には、米8月個人所得が前月比0.1%減少して市場予想を下回った。個人消費支出は前月比0.2%増で7月の同0.7%増から鈍化した。一方で、米9月シカゴ地区購買部協会景気指数が60.4に改善して市場予想を上回り、米9月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値は59.4に上方修正された。10月3日には、米9月ISM製造業景気指数が51.6に改善して市場予想を上回った。4日には、米8月製造業新規受注が前月比0.2%減少したが、市場予想とほぼ同水準だった。5日には、9月ADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数が前月比9万1000人増加して市場予想を上回った。米9月ISM非製造業景気指数は53.0と前月比小幅に低下したが市場予想を上回った。6日には、新規失業保険申請件数が40万1000件となり前週比で増加したが、市場予想ほど悪化しなかった。7日には、米9月雇用統計で非農業部門就業者数が前月比10万3000人増加して市場予想を上回った。

  外国為替市場で円の高止まり状況が続いていることも、日本株式市場の下押し要因である。ドル・円相場は引き続き1ドル=76円台後半のドル安・円高水準で推移し、一段と膠着感を強める展開だった。ユーロ・円相場は4日の東京市場で1ユーロ=100円70銭台まで円が上昇する場面があり、欧州向け比率の高い輸出関連株に対する売り圧力につながった。

  テクニカル面で見ると、日経平均株価(10月7日時点)の移動平均線に対するマイナス乖離率は、25日移動平均線に対して0.59%、75日移動平均線に対して6.83%、200日移動平均線に対して11.35%となり、いずれも前週末9月30日時点に比べてマイナス乖離を広げた。25日移動平均線は上値抵抗線として意識される形になっている。なお東証1部市場の騰落レシオ(25日移動平均)は10月7日時点で91.3%となっている。

  日経平均株価の終値ベースで騰落状況を見ると、週初の10月3日は前週末(9月30日)比154円81銭(1.78%)安で大幅に続落、4日は前日比89円36銭(1.05%)安で3営業日続落、5日は前日比73円14銭(0.86%)安で4営業日続落、6日は前日比139円04銭(1.66%)高で5営業日ぶりに反発、7日は前日比83円60銭(0.98%)高で続伸した。日中の値幅は、3日が121円85銭、4日が111円52銭、5日が158円02銭、6日が81円96銭、7日が74円21銭だった。

  日経平均株価の週末10月7日の終値は8605円62銭となり、前週末9月30日の終値8700円29銭に比べて94円67銭(1.08%)下落した。週間ベースで見れば2週ぶりの下落となった。取引時間中ベースの週間高値は7日の8663円57銭、週間安値は5日の8343円01銭で、1週間の取引時間中の値幅は320円56銭だった。

  TOPIXの週間騰落状況を見ると、週末10月7日の終値は741.55ポイントとなり、9月30日の終値761.17ポイントに比べて19.62ポイント(2.57%)下落した。週間ベースで2週ぶりの下落となった。5日の終値は726.25ポイントとなり、9月26日の終値728.85ポイントを割り込んで年初来安値を更新した。取引時間中ベースの週間高値は3日の749.67ポイント、週間安値は5日の724.77ポイントだった。なお週末10月7日時点の終値ベースでのNT倍率は11.60倍となり、9月30日時点の11.43倍に対して0.17ポイント上昇した。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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