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【外国為替市場を検証:ドル・円相場】重要イベント通過も動意乏しく一段と膠着感強める
【外国為替市場フラッシュ:10月3日~7日の週のドル・円相場】
■1ドル=76円台後半の小幅レンジで推移
10月3日~7日の週のドル・円相場は、概ね1ドル=76円台後半の小幅レンジで推移した。ユーロ圏の金融システム不安などで週前半にユーロ売りが加速したが、ドル・円相場への影響は限定的だった。また、週後半にはECB(欧州中央銀行)理事会、日銀金融政策決定会合、米9月雇用統計などの重要イベントを通過したが動意に乏しく、一段と膠着感を強める展開だった。
ドル・円相場の1週間の動きを振り返ってみよう。前週末9月30日の海外市場では、1ドル=76円台後半でスタートし、その後1ドル=77円10銭台まで円が下落した。日本の輸出企業によるドル売り・円買い需要が一巡したうえに、米9月シカゴ地区購買部協会景気指数が60.4に改善して市場予想も上回ったこと、米9月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値が59.4と速報値の57.8から上方修正されたことも、ドル買い戻しにつながった。
週初10月3日の東京市場では、1ドル=76円70銭近辺~77円20銭近辺で推移した。前週末の流れを受け継ぎ1ドル=77円10銭近辺でスタートしたが、終盤にかけてドル売り・円買いが優勢になった。9月日銀短観で大企業製造業DIがプラス2となり前回6月調査から11ポイント改善したが、予想の範囲内として反応は限定的だった。3日の海外市場では、1ドル=76円50銭近辺~90銭近辺で推移した。ギリシャ政府が「11年、12年の財政赤字の対GDP(国内総生産)比率が目標を上回る見込みとなった」と発表したことなどで警戒感が強まり、終盤はリスク回避の円買いが優勢になった。米9月ISM製造業景気指数が51.6に改善して市場予想も上回ったが、反応は限定的だった。
4日の東京市場では、1ドル=76円50銭台~70銭台でモミ合う展開だった。やや手掛かり材料難となり小動きに終始した。4日の海外市場では、1ドル=76円60銭台~90銭台で推移した。バーナンキ米FRB議長が議会証言で追加緩和策の可能性に言及したことや、英フィナンシャル・タイムズ誌の「EU(欧州連合)各国の財務相が欧州金融機関の資本増強を協調して行なう方法を検討している」との報道を好感して米国株式市場が上昇したことを受けて、終盤にはドル買い・円売りがやや優勢になった。
5日の東京市場では、1ドル=76円80銭~90銭近辺でスタートし、日本の輸出企業の円買いなどで、終盤には1ドル=76円60銭~70銭近辺に円が上昇した。5日の海外市場では、1ドル=76円60銭近辺~77円00銭近辺で、ドル買い・円売りがやや優勢だった。9月ADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数が前月比9万1000人増加して市場予想を上回った。米9月ISM非製造業景気指数は53.0と前月比小幅に低下したが市場予想を上回った。このため景気に対する警戒感がやや和らいだ。
6日の東京市場では、1ドル=76円60銭~80銭近辺の小幅レンジでモミ合う展開だった。日銀金融政策決定会合、ECB理事会、7日の米9月雇用統計などを控えて様子見ムードを強めた。6日の海外市場でも、1ドル=76円50銭台~80銭台で小動きだった。ECB理事会では利下げが見送られたが流動性供給策の拡充を決定し、EU(欧州連合)各国が域内銀行に対する資本注入に踏み切るとの観測も強まった。また米新規失業保険申請件数は市場予想ほど悪化しなかったが、いずれも市場の反応は限定的だった。
7日の東京市場では、1ドル=76円60銭~70銭近辺の狭いレンジでモミ合う展開だった。米9月雇用統計を控えて様子見ムードを強めた。日銀金融政策決定会合では、現行の政策金利据え置きを決定したが追加緩和策が見送られ、市場の反応は限定的だった。7日の海外市場では、米9月雇用統計で非農業部門就業者数が前月比10万3000人増加して市場予想を上回ったため、ドル買い戻しが優勢となって1ドル=76円90銭台に円が下落する場面もあった。しかし、格付け会社フィッチ・レーティングスによるイタリアとスペインの格付け引き下げなどが警戒感につながり、1ドル=76円60銭台~80銭台でモミ合う展開となった。
ギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念、南欧諸国へのソブリンリスク拡大懸念、ユーロ圏の金融システム不安、世界的なリセッション(景気後退)に対する警戒感が強い状況に変化はない。そうした状況下でドル・円相場は、リスク回避のドル売り・円買い圧力、量的緩和策第3弾(QE3)に対する思惑、円売り市場介入への警戒感などが交錯し、概ね1ドル=76円台~77円台前半で一段と膠着感を強めている。重要イベントを通過しても動意に乏しく、ユーロ売りが加速してもドル・円相場への影響は限定的である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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