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【相場展望】海外要因を睨みながら神経質な展開へ
【株式市場フューチャー:9月19日~23日の株式市場見通し】
■過度な警戒感が後退して反発局面となる可能性も
来週(9月19日~23日)の日本株式市場は、19日と23日が休場のため3連休の谷間の3日間(20日~22日)の取引となるが、世界的なリセッション(景気後退)やソブリンリスク拡大に対する警戒感が根強く、米国株式市場や外国為替市場の動向などを睨みながら、引き続き海外要因で神経質な展開となりそうだ。ただし、ギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念や、金融システム不安に対する過度な警戒感が和らいだため、買い戻しの動きが継続して、反発局面となる可能性があるだろう。
前週(9月12日~16日)は、ギリシャのデフォルト懸念や金融システム不安を和らげるための動きが相次いだ。12日にはイタリアが中国の政府系ファンドに国債購入を依頼したとの報道があり、トリシェECB(欧州中央銀行)総裁がユーロ圏の銀行に対する資金供給を無制限で実施すると表明した。14日には独仏ギリシャ首脳の電話会談でギリシャ支援の継続を表明した。15日には日米欧の主要中央銀行が協調ドル資金供給措置を表明した。16日にはユーロ圏財務相会合でギリシャ支援継続の方針を確認した。こうした動きを受けて当面の過度な警戒感が後退し、米国や欧州の株式市場は反発に転じている。
前週末16日の米国株式市場で、ダウ工業株30種平均株価は前日比75ドル91セント(0.66%)高となり5営業日続伸した。終値は1万1509ドル09セントで、8月31日(1万1613ドル53セント)以来の水準となった。米9月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値を好感し、ユーロ圏財務相会合でギリシャに対する支援継続の方針が確認されたことで警戒感が後退した。米国の主要経済指標は依然として強弱感が交錯しているが、いずれも市場の反応は限定的にとどまっているため、市場は悪材料を織り込んだとも考えられる。
外国為替市場のユーロ・円相場は、ギリシャのデフォルト懸念で12日に1ユーロ=103円90銭台に円が上昇した。01年6月以来のユーロ安・円高水準で、日本株式市場の下押し要因となったが、週後半にはユーロが買い戻されて1ユーロ=106円近辺まで円が下落した。ドル・円相場は、リスク回避のドル売り・円買い圧力、量的緩和策第3弾(QE3)に対する思惑、円売り市場介入に対する警戒感が交錯する状況に変化はなく、概ね1ドル=76円台~77円台で膠着感を強めている。
20日の日本株式市場は19日の米国株式市場の動向次第であり、20日~21日には米FOMC(連邦公開市場委員会)も控えているが、ギリシャのデフォルト懸念や金融システム不安に対する過度な警戒感が後退して、米国や欧州の株式市場が反発局面となったことを考慮すれば、日本株式市場も1週間を通して見れば、買い戻しの動きが継続して、反発局面となる可能性があるだろう。
需給面で見ると、外国人投資家の売り越し基調に変化の兆しも見え始めた。寄り付き前の外国証券(9社ベース)経由の差し引き注文動向で見ると、8日に29営業日ぶりに売り越しが止まり、16日には差し引き930万株の大幅な買い越しとなったことが注目されている。
テクニカル面で見ると、日経平均株価の前週末16日時点の移動平均線に対する乖離率は、25日移動平均線に対してはプラス0.66%に転じ、75日移動平均線に対してはマイナス5.58%、200日移動平均線に対してはマイナス9.65%と乖離率が縮小傾向となっている。特に上値抵抗線として意識された25日移動平均線を突破したことで、当面は買い戻しを誘い、反発局面となる可能性があるだろう。
■注目スケジュール
来週の注目スケジュールとしては、国内では、20日の7月景気動向指数改定値、全国百貨店売上高、コンビニエンスストア売上高、21日の8月貿易統計、22日のスーパーマーケット売上高、ショッピングセンター売上高などがあるだろう。なお19日(敬老の日)と23日(秋分の日)が休場となる。
海外では、19日の米9月住宅建設業者指数、オバマ米大統領の財政赤字削減計画の提案、20日の豪中銀理事会議事録(9月分)発表、独8月生産者物価指数、独9月景気期待指数、米8月住宅着工件数、米週間チェーンストア売上高、米週間レッドブック大規模小売店売上高、米FOMC(~21日)、ギリシャのパパンドレウ首相の講演、21日の英金融政策委員会議事録(9月分)公表、ノルウェー中銀金利発表、ECB理事会(~22日)、米8月中古住宅販売、米住宅ローン借り換え申請指数、米FOMC(最終日、声明発表)、22日のユーロ圏7月鉱工業受注、ユーロ圏9月総合・製造業・サービス部門PMI速報値、ECB理事会(最終日、金利発表予定なし)、米7月住宅価格指数、米8月景気先行指数(コンファレンス・ボード)、米新規失業保険申請件数、BRICs財務相会合、ラガルドIMF専務理事の記者会見、23日のダドリー米ニューヨーク連銀総裁の講演、トリシェECB総裁の講演などがあるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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