関連記事
【株式市況を検証】悪材料をかなり織り込んだとして過度な警戒感は和らぐ
【株式市場フラッシュ:8月29日~9月2日の週の日本株式市場】
■過度な警戒感が和らぎ日経平均とTOPIXともに2週連続の上昇
8月29日~9月2日の週の日本株式市場では、過度な警戒感が和らぎ、日経平均株価(225種)、TOPIXともに、週間ベースで2週連続の上昇となった。日経平均株価は9月1日の取引時間中に9098円15銭まで上昇し、8月16日以来となる9100円台に接近した。
世界的なリセッション(景気後退)やソブリンリスク拡大に対する警戒感が強く、米国、欧州、中国の主要経済指標にも強弱感が交錯しているため、海外要因に神経質な状況に変化はない。外国為替市場で円が高止まり状況であることも相場下押し要因となっている。しかし悪材料をかなり織り込んだとして過度な警戒感が和らいだ。
米国の主要経済指標は、引き続き強弱まだら模様だった。8月29日の米7月個人消費支出は市場予想を上回ったが、30日の米8月消費者信頼感指数は2年4カ月ぶりの低水準だった。31日の米8月ADP雇用リポートは市場予想を下回ったが、米7月製造業新規受注と米8月シカゴ地区購買部協会景気指数が市場予想を上回った。9月1日の米8月ISM製造業景気指数の低下は市場予想より小幅だったが、週末2日の米8月雇用統計で非農業部門雇用者増加数が市場予想を下回った。ただし米国株式市場では、米FRBの量的緩和策第3弾(QE3)に対する期待感が支援材料となった。
外国為替市場のドル・円相場は、概ね1ドル=76円台後半~77円台前半という円高水準で膠着感を強めた。リスク回避のドル売り・円買い圧力、QE3に対する思惑、円売り市場介入に対する警戒感が交錯する状況が続いたうえに、週末2日の米8月雇用統計を控えて膠着感を強めた。ユーロ・円相場はユーロ売りが加速し、週末2日の海外市場で一時1ユーロ=108円80銭台に円が上昇した。ギリシャやイタリアのソブリンリスクが意識されたうえに、ユーロ圏8月製造業購買担当者景況指数(PMI)の低下などで景気減速懸念が強まり、ECB(欧州中央銀行)の利下げ観測も台頭した。
国内要因としては、8月29日の民主党代表選で野田財務相が選出され、9月2日には野田新内閣が発足したが、いずれも市場の反応は限定的だった。
セクター別の物色動向を見ると、世界的なリセッションや外国為替市場での円高進行に対する警戒感で、年初来安値圏に売り込まれていた機械、電機・精密、自動車など、景気敏感関連や輸出関連セクターの主力銘柄に対する買い戻しが目立った。
テクニカル面で見ると、日経平均株価の週末9月2日時点の移動平均線に対するマイナス乖離率は、25日移動平均線に対して1.28%、75日移動平均線に対して5.81%、200日移動平均線に対して9.34%となり、いずれも前週末8月26日時点に比べて、マイナス乖離幅を縮小した。東証1部市場の騰落レシオ(25日移動平均)は週末2日時点で88.7%となった。
日経平均株価の終値ベースで1週間の騰落状況を見ると、週初の8月29日は前週末(26日)比53円57銭(0.61%)高と3営業日続伸、30日は前日比102円55銭(1.16%)高と4営業日続伸、31日は前日比1円30銭(0.02%)高と小幅に5営業日続伸、9月1日は前日比105円60銭(1.18%)高と6営業日続伸、そして週末の2日は前日比110円06銭(1.21%)安と7営業日ぶりに反落した。日中の値幅は8月29日が174円98銭、30日が57円01銭、31日が62円28銭、9月1日が100円14銭、2日が99円62銭だった。
日経平均株価の週末9月2日の終値は8950円74銭となり、前週末8月26日の終値8797円78銭に比べて152円96銭(1.74%)上昇した。週間ベースでは2週連続の上昇となった。取引時間中ベースの週間高値は9月1日の9098円15銭、週間安値は8月29日の8751円29銭で、1週間の取引時間中の値幅は346円86銭だった。月間ベースで見ると、8月末(31日)の終値は8955円20銭で、7月末(29日)の9833円03銭に比べて877円83銭(8.92%)下落した。
TOPIXの週間騰落状況を見ると、週末9月2日の終値は769.78ポイントで、前週末8月26日の終値756.07ポイントに比べて13.71ポイント(1.82%)上昇した。週間ベースでは2週連続の上昇となった。取引時間中ベースの週間高値は9月1日の780.99ポイント、週間安値は8月29日の751.53ポイントだった。月間ベースで見ると8月末(31日)の終値は770.60ポイントで、7月末(29日)の841.37ポイントに比べて70.77ポイント(8.41%)下落した。また週末9月2日時点の終値ベースでのNT倍率は11.63倍となり、前週末8月26日時点の11.64倍に対して0.01ポイント低下した。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
【関連記事・情報】
・『野田新内閣の船出』を祝う相場展開へ=犬丸正寛の相場展望(2011/09/03)
・米国は債券市場が全面高!NY株253ドル安を受け金融緩和策を催促(2011/09/03)
・犬丸正寛の相場格言~データでは説明できない先人の知恵をもとに株式投資で大成功~(2011/08/10)
・株式表隣家・浅妻昭治のマーケットセンサー(銘柄発掘の王道を伝授・注目株厳選)メルマガがスタート!登録受付中(2011/06/22)
※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク
