関連記事
【外国為替市場を検証:ドル・円相場】1ドル=76円台~77円台、円高水準で膠着感
【外国為替市場フラッシュ=8月29日~9月2日の週のドル・円相場】
■狭いレンジで小動き
8月29日~9月2日の週の外国為替市場でドル・円相場は、概ね1ドル=76円台後半~77円台前半の狭いレンジで小動きだった。週末9月2日に米8月雇用統計を控えていたうえに、リスク回避のドル売り・円買い圧力、量的緩和策第3弾(QE3)に対する思惑、円売り市場介入への警戒感などが交錯し、円高水準で膠着感を強めた。
ドル・円相場の1週間の動きを振り返ってみよう。前週末26日の海外市場では1ドル=77円近辺でスタートした後、序盤に一時1ドル=76円50銭~60銭近辺に円が上昇し、バーナンキ米FRB議長のジャクソンホールでの講演後はドル買い戻しが優勢となって、1ドル=77円00銭台に円が下落した。その後は1ドル=76円50銭台~90銭台で推移する展開だった。
この流れを受けて週初8月29日の東京市場では、ややドル安・円高方向だったが、概ね1ドル=76円60銭~80銭近辺で小動きだった。民主党代表選で野田財務相が選出されたが、市場は反応薄だった。29日の海外市場(ロンドン市場は休場)では、1ドル=76円60銭近辺~77円00銭近辺で推移し、ドル買い戻しがやや優勢になった。米7月個人消費支出やギリシャ大手銀行の合併などを好感し、リスク回避姿勢がやや後退した。
30日の東京市場では、1ドル=76円60銭台~90銭台で推移した。中盤以降はドル売り・円買いがやや優勢の展開になった。日本の7月完全失業率は4.7%で前月比0.1ポイント上昇したが、市場の反応は限定的だった。30日の海外市場では、1ドル=76円60銭台~80銭台の狭いレンジで小動きだった。米FOMC(連邦公開市場委員会)8月9日開催分の議事要旨が公表され、量的緩和策第3弾(QE3)への期待が高まったが、円売り市場介入への警戒感も強く、市場への影響は限定的だった。
31日の東京市場では、1ドル=76円50銭台~70銭台で推移したが、米国の追加緩和期待でドル売り・円買いがやや優勢になった。国内輸出企業による月末の円買い需要も指摘された。31日の海外市場では、米7月製造業新規受注と米8月シカゴ地区購買部協会景気指数が市場予想を上回ったため1ドル=76円80銭台に円が下落した後、追加緩和期待で1ドル=76円40銭台に円が上昇した。終盤は1ドル=76円60銭近辺だった。米8月ADP雇用リポートは市場予想を下回ったが、市場への影響は限定的だった。
9月1日の東京市場では、1ドル=76円60銭~70銭近辺でスタートした後、大口のドル買いで一時1ドル=77円20銭台に円が下落した。しかし終盤は1ドル=76円80銭~90銭近辺でモミ合う展開だった。1日の海外市場では、1ドル=76円80銭台~77円10銭台で推移した。米8月ISM製造業景気指数の低下が市場予想より小幅だったため、ドル買い戻しがやや優勢の展開だった。
2日の東京市場では、1ドル=76円70銭台~90銭台で推移した。米8月雇用統計を控えて小動きだったが、ユーロ売りの流れが波及し、ドル売り・円買いがやや優勢の展開になった。2日の海外市場では、米8月雇用統計で非農業部門雇用者増加数が0万人となり市場予想を下回ったため、一時1ドル=76円50銭台に上昇したが、その後は概ね1ドル=76円70銭台~80銭台の狭いレンジでモミ合う展開だった。米国市場の3連休を控えて様子見ムードも強めた。
世界的なリセッション(景気後退)やソブリンリスクに対する警戒感が強い状況に変化はなく、ドル売り・円買い圧力は依然として強い。しかしドル・円相場は、リスク回避のドル売り・円買い圧力、量的緩和策第3弾(QE3)に対する思惑、円売り市場介入への警戒感などが交錯し、円高水準で膠着感の強い展開が続いている。8月26日のバーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長のジャクソンホール・シンポジウムでの講演、9月2日の米8月雇用統計という重要イベントを通過しても、結果的には大きな動きが見られない。9月8日のオバマ米大統領の演説、20日~21日のFOMC(連邦公開市場委員会)が次の焦点となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
【関連記事・情報】
・【銘柄診断】クレスコは底上げ基調、割安と評価不足で一段の戻りを試そう(2011/09/03)
・『野田新内閣の船出』を祝う相場展開へ=犬丸正寛の相場展望(2011/09/03)
・犬丸正寛の相場格言~データでは説明できない先人の知恵をもとに株式投資で大成功~(2011/08/10)
・株式表隣家・浅妻昭治のマーケットセンサー(銘柄発掘の王道を伝授・注目株厳選)メルマガがスタート!登録受付中(2011/06/22)
※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク
