【話題株】トヨタは安値水準から反発、電力使用制限令の前倒し終了に円安もオン

　　トヨタ自動車 <7203> は３０日、７９円高の２７９４円まで上げて６円高の２７２１円と８月２２日につけた年初来安値２６９６円から底上げした。

　　３０日前場引け後に経済産業省が、早朝からＮＨＫテレビなどで観測報道されていた電力使用制限令の前倒し終了を正式に発表、生産増強に拍車が掛かるとして下げ過ぎ訂正買いが再燃し、前日の米国市場でＮＹダウが、２５４．７１ドル高の１万１５３９．２５ドルと続伸し、同社ＡＤＲ（預託証券）も東京市場の終値に対して５７円高（円換算値）で引け、為替相場も、１ドル＝７６円台後半と円安にふれていることなどもフォローの材料となった。

　　電力使用制限令は、原発事故に伴う電力需給逼迫に対応して６月３０日に発動され、東京電力 <9501> 管内では７月１日から９月２２日まで、東北電力 <9506> 管内では９月９日までそれぞれ大口需要家向けに１５％の節電を義務付けた。正式発表では、電力需給バランスの改善などから東日本大震災や新潟・福島豪雨の被災地では９月２日、東電管内では９月９日に各前倒しして終了する。

　　トヨタの株価は、自動車生産の早期回復、販売台数の増加などで今３月期業績を上方修正したが、円高進行と世界同時株安に直撃されて年初来安値まで売られ、米フォードとのハイブリッド車の共同開発で１００円幅の底上げしたものの底値圏推移が続いた。野田新内閣の円高対策などへの期待を高め一段の戻りを試す展開も想定される。（情報提供：日本インタビュ新聞社＝Ｍｅｄｉａ－ＩＲ）

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