波乱相場をちょっとしたサプライズ!コロナとダイニチ工業の株価急騰=浅妻昭治

2011年8月22日 13:36

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

NYダウが、急騰・急落する高速エレベーター相場に揺さぶられ、為替相場が、ついに1ドル=75円台に突入する円最高値更新と振り回されると、いかに名うての強気投資家でも、「戦意喪失」、「脱力系」とならざるを得ない。「今年の相場は終わった」、「後半相場は撤退また撤退」との嘆き、弱気の声も、悲鳴に近く聞こえてきそうである。

NYダウが、急騰・急落する高速エレベーター相場に揺さぶられ、為替相場が、ついに1ドル=75円台に突入する円最高値更新と振り回されると、いかに名うての強気投資家でも、「戦意喪失」、「脱力系」とならざるを得ない。「今年の相場は終わった」、「後半相場は撤退また撤退」との嘆き、弱気の声も、悲鳴に近く聞こえてきそうである。[写真拡大]

【浅妻昭治(株式評論家・日本インタビュ新聞社記者)のマーケット・センサー】

■石油ストープの特需思惑で再騰した銘柄

  NYダウが、急騰・急落する高速エレベーター相場に揺さぶられ、為替相場が、ついに1ドル=75円台に突入する円最高値更新と振り回されると、いかに名うての強気投資家でも、「戦意喪失」、「脱力系」とならざるを得ない。「今年の相場は終わった」、「後半相場は撤退また撤退」との嘆き、弱気の声も、悲鳴に近く聞こえてきそうである。

  しかしである。その波乱相場をもう少し微視的にビビッドにみると、ちょっとしたサプライズ、救いがないこともない。その1つが、コロナ <5909> とダイニチ工業 <5951> の株価急騰である。

  両社株とも、今冬の厳冬需要享受で動意付き、東日本大震災発生で急落したが、その安値から震災後の被災地での石油ストープの特需思惑で再騰、気がつけば大化けをした。とくにコロナは、震災時につけた上場来安値628円が、年初来高値1247円まで5カ月で98%高とほぼ倍化した。

  この急騰について、日経紙の証券市況欄のコラム『まちかど』では、相場格言の「麦わら帽子は冬に買え」を引き合いに出して、今冬の電力不足を先取りする株価の先行特性を発揮したとコメントした。しかし、半年後の冬場を期待して待ち伏せ買いしたはずなのが、7月以降の直近の猛暑の真っ只中で400円幅の急騰を演じたのだから、少なからずサプライズとなった。

■ローテク製品の稀少なメーカー

  しかも、同社株を買った投資家は、個人的な感覚だが、厳冬・電力不足の経験者だろうと推測されることも、サプライズを上乗せした。実は筆者も、この経験を痛いほど味わった一人である。20数年もの昔の大雪が降った朝、拙宅は、半日間にわたる停電に見舞われたことがあった。雪の重みで架線が切断されたのである。この時は、半日間、家族揃って寒さに震えることになった。暖房機器は、エアコンだろうと石油ファンヒーターだろうとコタツだろうと、肝心の電気が停電となり、まったく役立たずとなったからだ。

  当然、こうした緊急事態に備えて、「一家に一台、石油ストーブ」ということで石油スートブの購入に走ることになった。しかもこの石油ストーブは、電気が通じなければ動かない石油ファンヒ-ターでなく、タンクに灯油を給油さえすれば点火できて直ぐに暖が取れるいわゆる開放型の石油ストーブというローテク製品でなければならなかった。

  家電量販店の販売員の説明によれば、このローテク製品は、国内でコロナとダイニチ工が稀少なメーカーで、大手電機メーカーは、すでに石油ファンヒーターも含めて石油ストーブから撤退して、ハイテク技術の粋を集めたエアコンに特化しているというのである。石油ストーブ自体が、ハイテク製品のニッチ(すき間)のローテク製品であり、にもかかわらず社会的存在意義を失っていなかったことになるわけだ(続きと詳細は「浅妻昭治のマーケットセンサー:メールマガジン」に掲載。果たして注目銘柄は?)(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

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