【銘柄診断】JPホールディングスは今期を初年度とする3カ年計画を策定

2011年1月4日 12:10

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■保育園の需要が高まっている一方で、子育て支援の施設数が極端に少ない

  JPホールディングス <2749> は、保育園を全国85ヶ所で、学童クラブ・児童館を全国45ヶ所で運営している最大手の子育て支援企業。

  同社では今期を初年度とする3カ年計画を策定していて、今10年度18ヶ所、11年度20ヶ所、12年度20ヶ所の保育園の新設を予定している。ところが、10年度は既に19ヶ所の新設と計画を1ヶ所上回っている。11年度も4月に18ヶ所が決まっているなど、計画を大幅に上回るペースで進んでいる。

  現在、自治体に、認可保育園への入園を申請しても入園できない子供達、いわゆる待機児童が全国で約2万6000名いる。ところが、入園の申請をしていない児童数も含めた潜在待機児童数は、約80万人ともいわれている。

  男女雇用均等法もあり、女性の社会進出が進むにつれて、共稼ぎも増えてきていることから、保育園の需要が益々高まっている一方で、子育て支援の施設数が極端に少ないといえる。現政権では、この待機児童数をゼロにする計画。

■各自治体は、民営の保育所の増設を促進

  全国の保育園の数は、約3万。その内、国の基準により自治体に認められている認可園が約2万3000、認可外の保育園が約7000。認可園には自治体によって運営される公立の保育園と、民間が運営する保育園に分けられるが、比率は約半々である。

  費用の面を比較すると、公立の保育園に、ゼロ歳児を預けると、1ヶ月約50万円の費用がかかる。一方、民間の保育園は約20万円と半額以下で、費用に大幅な開きがある。また、公立の保育園で働く保育士と民間で働く保育士の給与を比較すると民間が安い。

  そのため、各自治体は、利用者に安価な価格でサービスを提供できる一方で、施設の運営費用が少ない民営の保育所の増設を促進している。

■日銀による「成長期待分野への新貸出制度」を活用

  そのような状況の中で、同社は、年間20ヶ所の施設を新設する計画である。そこで、資金と施設運営のための保育士確保が必要となってくる。

  まず、資金面では、11年4月に予定している18ヶ所の費用として、約20億円が必要である。ところが、そのうちの7億円が自治体からの補助金で賄われるので、残りの13億円を日銀による「成長期待分野への新貸出制度」を活用して確保している。新貸出制度は5年間で0.5%という低金利である。

  保育士については、90%から95%が女性であるため、保育園の近くにセキュリティの完備した寮を準備し、生活できる環境を整えたうえで全国から募集している。

■新施設の増加と共に、預かる児童数も急増

  現在のペースで新規の施設を増やすと、事業規模は急拡大する。しかも、新規の1施設で平均60名を預かっているが、来期以降は80名以上と見込んでいることから、新施設の増加と共に、預かる児童数も急増することになる。

  更に、新設の保育園の他に、学童クラブ・児童館の受託も11年14ヶ所、12年10ヶ所、13年10ヶ所を見込んでいる。

  今期業績予想は、売上高90億円(前期比9.8%増)、営業利益8億5000万円(同15.0%増)、経常利益9億円(同12.5%増)、純利益5億6500万円(同27.3%増)と増収増益を見込んでいる。

  5月7日に発表された新中期経営計画によると、12年3月期売上高119億円、経常利益11億9000万円、13年3月期売上高148億円、経常利益14億8000万円を見込んでいる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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