「山より大きいイノシシが出る」のではと不安が高まるばかり?!=浅妻昭治

2010年11月29日 18:08

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

「山より大きいイノシシは出ない」---過度の警戒感を戒める兜町の仲間内の合言葉である。目の前にみえるリスク以上の損失拡大に怯える必要はないとばかりに、互いにこの合言葉でエールを交換しながら、自らの弱気に封印し強気に与しようと鼓舞し合う。

「山より大きいイノシシは出ない」---過度の警戒感を戒める兜町の仲間内の合言葉である。目の前にみえるリスク以上の損失拡大に怯える必要はないとばかりに、互いにこの合言葉でエールを交換しながら、自らの弱気に封印し強気に与しようと鼓舞し合う。[写真拡大]

【浅妻昭治(株式評論家・日本インタビュ新聞社記者)のマーケット・センサー】

■決め打ち厳禁の師走相場は、まず好需給外食株から

  「山より大きいイノシシは出ない」---過度の警戒感を戒める兜町の仲間内の合言葉である。目の前にみえるリスク以上の損失拡大に怯える必要はないとばかりに、互いにこの合言葉でエールを交換しながら、自らの弱気に封印し強気に与しようと鼓舞し合う。いよいよ12月、師走相場のスタートを前にさぞかしこの合言葉が飛び交っていると想像はできる。

  しかし、昨今の政治・経済情勢は、「山より大きいイノシシが出る」のではないかと不安が高まるばかりである。北朝鮮の韓国・延坪島への砲撃事件も、いつ何時、不測の事態にエスカレートするか保証の限りではない。欧州のソブリンリスクの再燃も、世界の金融情勢が、なお「100年に1度の津波」の渦中にあるのか、関係各国の協調によりコントロールされているのか、またまた不透明化が危惧されている。

  国内でも支持率急落に見舞われている菅内閣が、相次ぐ閣僚の失言や問責決議案可決を受けて来年1月の通常国会を乗り切れるのか、解散・総選挙観測も高まり、政局がますます混迷化する道筋が浮かんでくる。「イノシシ」の心配をし出したらキリがないのである。

  1年納めの師走相場、損失の最小化を図るのか、「掉尾の一振」を先取りしてもう1回転を狙うのか、どういう相場スタンスが正解かは難しい。ただ共通しているのは、強気にしろ弱気にしろ決め打ちはリスクが大きすぎるということだろう。「モグラ叩き相場」よろしく個別材料が出るたびに、関連株を厳選、対応する投資スタイルのみが有効となるはずだ。このまま円高がさらに後退するようなら主力輸出株、朝鮮半島が緊迫化するなら「有事の金」関連株や石川製作所 <6208> などの防衛関連株、12月再開のIPO(新規株式公開)が、順調にスタートするようなら新興市場株などといった具合だ。

  そうした相場循環の一角で浮上を期待したいのが、好需給外食産業株である。この夏は猛暑特需で客足が伸びたが、12月は忘年会、クリスマスパーティーなどの書き入れ時でもある。ぐるなび <2440> 、一休 <2450> 、カッパ・クリエイト <7421> 、ハイデイ日高 <7611> 、壱番屋 <7630> 、リンガーハット <8200> 、元気寿司 <9828> などをマークしてみたい。(情報提供:日本インタビュ新聞社 Media-IR)

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