イラン和平交渉に打開の兆し―ハメネイ師が政府に「一定の権限」 原油急落

イランのペゼシュキアン大統領は11月2日、最高指導者ハメネイ師が米国との交渉に関して政府に「一定の権限」を与えたと明らかにした。(Photo by mdreza jalali on Unsplash)[写真拡大]
イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は11月2日、最高指導者モジタバ・ハメネイ師が米国との交渉に関して政府に「一定の権限」を与えたと明らかにした。米国とイランの交渉で打開に向けた期待が高まっている。
イラン国営メディアによると、ペゼシュキアン氏はさらに、本格的な戦闘状態に戻ることなく米国との戦争を解決したい考えを示した。
この発言を受けて原油価格は一段と下落し、国際指標の北海ブレント原油先物は約6%急落して、1バレル=107ドル(約1万6900円)を再び下回った。
■ルビオ国務長官「平和的な解決を望む」
マルコ・ルビオ国務長官は週末、ドナルド・トランプ大統領は戦争を「外交的に」解決することを望んでいると述べた。
ルビオ氏は記者団に対し、交渉が続く中でトランプ氏はまだ決断を下していないと説明した。トランプ氏の威嚇的な発言については、「軍事的に何かをする必要が生じた場合、我々にはそれを実行する能力があり、成功に必要なものはすべてそろっているという並々ならぬ自信」の表れだとした。そのうえで、政権としては「平和的に解決することを望む」と強調した。
一方、トランプ氏は11月1日、保守系メディアのライトサイド・ブロードキャスティング・ネットワーク(RSBN)のインタビューで、紛争は「いずれにせよ、ごく近いうちに」終わると述べた。「イランが合意するか、我々が終わらせるかのどちらかだ」とも付け加えた。
■バンス副大統領の書簡が契機
交渉は、JD・バンス副大統領が10月下旬にイラン指導部へ書簡を送ったことで勢いを増した。
書簡の宛先は、イラン最高国家安全保障評議会(SNSC)事務局長で、革命防衛隊(IRGC)元総司令官のモフセン・レザイ氏である。同氏はハメネイ師と直接連絡を取れる立場にある。米当局者は米ニュースサイトのアクシオスに対し、「大統領はこの書簡に乗り気だった」と語った。
■カタール仲介案、核施設の査察受け入れと制裁緩和を交換
アクシオスは別の記事で、本格的な戦争への逆戻りを避けるため、イラン指導部が核問題で米国に譲歩する見返りに制裁緩和を得るという提案を、ハメネイ師に示す見通しだと報じていた。
同報道によると、カタールが提案し、パキスタン、サウジアラビア、エジプト、トルコが支持するこの案は、イランが国連の査察官による核施設への訪問を認める代わりに、制裁緩和を受けるという内容である。
選択肢の一つとして、イランが2025年9月に国際原子力機関(IAEA)とカイロで結んだ合意への回帰が挙がっている。同合意は核施設への査察再開を認めるものだったが、その1カ月後に国連安全保障理事会が「スナップバック」と呼ばれる仕組みで対イラン制裁を再発動したことを受け、停止された。
イランは、米国がまず同国港湾の封鎖を解除し、凍結資金を解放するよう求めてきた。ただ、イラン当局者は数日内にこの案を最高指導者に示し、承認を求める考えを示した。
事情に詳しい関係者はアクシオスに対し、「イラン側は濃縮ウランを最初に手放したわけではないと主張でき、米国側はイランから核問題で一定の譲歩を得たと言える、という発想だ」と説明した。この関係者は、ホワイトハウスはイランが案を受け入れるかどうかに応じて対応を検討するとも述べた。
※この記事はInternational Business Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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