キオクシアの次世代AI向けSSD、2028年に最大1億IOPSを目標

2026年9月9日 15:29

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記事提供元:Tech Times

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キオクシアは、低遅延フラッシュメモリ「KIOXIA XL-FLASH」の第3世代とPCIe 7.0を組み合わせ、最大1億ランダムリードIOPSを目標とする次世代SSDを2028年に投入する計画だ。従来報じられていた2027年から時期を改めた形となるが、製品仕様や提供形態、量産時期の詳細は明らかになっていない。

同社は先行製品として、最大1000万ランダムリードIOPSに対応するPCIe 6.0 SSD「KIOXIA GP1シリーズ」を開発している。評価用サンプルは2026年末までに限定顧客向けに出荷を始める予定で、次世代製品はその性能を最大10倍へ引き上げる構想となる。

■XL-FLASH第3世代で読み出し性能を3倍に

次世代SSDには、KIOXIA XL-FLASH第3世代とPCIe 7.0を採用する計画だ。キオクシアが示した開発見通しでは、第3世代XL-FLASHの読み出し性能を第2世代比で3倍、書き込み性能を150%向上させることを目指す。電力効率についても、読み出しで40%、書き込みで80%の改善を見込んでいる。

XL-FLASHは、低遅延と高いランダムアクセス性能を重視したフラッシュメモリである。一般的な大容量SSDが記憶密度を重視したTLCやQLCのNANDフラッシュを使うのに対し、GP1では低遅延の第2世代XL-FLASHを採用する。

第3世代で具体的にどのような回路設計や内部構成を採用するかは公表されていない。これまでのXL-FLASHでは、ワード線やビット線を短くするとともに、ダイ内部で並列動作するプレーンを増やすことで、読み出しの低遅延化とランダムアクセス性能の向上を図ってきた。

■PCIe 7.0で増大するデータ転送に対応

最大1億IOPSを目指す次世代製品では、ホストとの接続にPCIe 7.0を採用する。PCIe 7.0は1レーン当たり128GT/sとなり、PCIe 6.xの64GT/sからデータ転送速度を倍増させる規格である。

512バイト単位で1億回の入出力を行う場合、単純計算によるデータ量は毎秒51.2GBに達する。実際の転送にはプロトコル上の付加情報や制御処理も伴うため、目標性能を実用的なシステム上で引き出すには、フラッシュメモリだけでなくSSDコントローラー、PCIe接続、ホスト側プラットフォームを含む全体設計が重要となる。

PCI-SIGは2025年6月11日にPCIe 7.0仕様のバージョン1.0を公開した。仕様が完成した後も、対応コントローラーやサーバー、スイッチ、リタイマーなどの開発と相互運用性の検証が必要になる。キオクシアが目標とする2028年には、こうした対応基盤の整備状況も製品化を左右することになる。

■先行するKIOXIA GP1は最大1000万IOPS

キオクシアは2026年8月、AIアプリケーション向けのSuper High IOPS SSD「KIOXIA GP1シリーズ」を発表した。PCIe 6.0とNVMe 2.2に対応し、第2世代KIOXIA XL-FLASHを使って、512バイト単位で最大1000万ランダムリードIOPSを実現する。

フォームファクターはEDSFF E3.SとE1.Sで、E1.Sには厚さ9.5mmと15mmのモデルを用意する。すべてのフォームファクターが空冷に対応し、E3.Sと9.5mm厚のE1.Sではコールドプレートを使った液冷にも対応する。耐久性は最大50 DWPDとしている。

ただし、1000万IOPSはキオクシアが示す最大性能値であり、実際の読み書き性能はホスト機器、ドライバーやOS、読み書き条件などによって変化する。2026年末までに出荷予定の製品も機能評価用サンプルであり、量産時には仕様が変更される可能性がある。

KIOXIA GPシリーズは、米国で開催されたFMS 2026において、Specialized Storage部門のBest of Show Awardを受賞した。現在の最大1000万IOPSから、将来世代で最大1億IOPSまで拡張することを視野に設計されている。

■GPUから直接利用するフラッシュ階層

KIOXIA GPシリーズは、GPUからストレージへのダイレクトアクセスを想定したAI向けSSDである。HBMやDRAMだけにデータを収めるのではなく、低遅延のフラッシュメモリを追加のデータ階層として利用し、GPUが扱えるデータ量を広げる構想に対応する。

大規模言語モデルの推論では、過去のトークンに関する計算結果を保持するKVキャッシュなどによって、必要なメモリー容量が増大する。頻繁に利用するデータをHBMに置きながら、それ以外のデータを低遅延のフラッシュ階層へ配置できれば、限られたHBMを効率的に利用しやすくなる。

GP1が対応する512バイト単位のアクセスと高いランダムリード性能は、多数の小規模なストレージ要求が同時に発生するGPU主導のワークロードを想定したものだ。キオクシアは、従来のTLCベースSSDと比較して、高いIOPS性能、細かなデータ単位でのアクセス、I/O当たりの低消費電力を実現すると説明している。

このストレージ階層はHBMをそのまま置き換えるというより、容量、性能、コストの異なる複数の記憶装置を使い分けるAIシステムの構成要素となる。最大1億IOPSを目指す次世代製品も、GPUから大量の小規模データへ並列にアクセスする用途を主な対象とする。

■NVIDIAが進めるAIストレージ構想に対応

KIOXIA GPシリーズは、NVIDIAの「Storage-Next」構想に対応して開発されている。Storage-Nextは、GPUが開始するAIワークロードに適したSSDをストレージ各社が開発し、フラッシュメモリをGPUから利用できるメモリー階層へ組み込む取り組みである。

NVIDIAはFMS 2026で、GPUとストレージの間にCPUメモリーを経由しない直接的なデータ経路を構成するGPUDirect StorageのcuFile APIと、その下層のソフトウェアスタックをオープンソース化すると発表した。GPUによるストレージへの直接的な読み書きを複数のハードウェアやストレージ製品で利用しやすくする狙いがある。

こうした仕組みでは、SSD単体のIOPSだけでなく、GPU、ネットワーク、ストレージソフトウェア、サーバープラットフォームを含めた連携が実効性能を決める。最大1億IOPSという将来目標についても、対応するPCIe 7.0基盤やコントローラー、ソフトウェア環境と組み合わせた検証が必要になる。

■CXL対応モジュールやHBFも開発

キオクシアはPCIe接続SSDとは別に、XL-FLASHを使ったCXL対応メモリー拡張モジュール「KIOXIA XL1シリーズ」も開発している。XL1は、アクセス頻度の低いデータをモジュール側へ配置し、DRAMの使用効率を高めることを目的とする。2026年8月には、業界の協力企業へ評価用サンプルを出荷する計画が示された。

一方、SK hynixとSanDiskは、NANDダイを積層し、UCIeを介してアクセラレーターに接続するHBF(High Bandwidth Flash)の仕様策定を進めている。Open Compute Projectで公開された仕様案は、フラッシュメモリを演算装置の近くへ配置し、高い並列性と帯域幅を得る構成を想定する。

PCIe接続SSD、CXL対応メモリー拡張、HBFでは、フラッシュメモリをシステム内のどこへ配置し、どのインターフェースで利用するかが異なる。いずれも、HBMやDRAMだけでは賄いにくくなったAIワークロードのデータを、性能や利用頻度に応じて複数の階層へ分散するという方向性で共通している。

■2028年に向けて対応基盤の整備が焦点

現時点で利用に向けた具体的な日程が示されているのはKIOXIA GP1シリーズで、評価用サンプルは2026年末までに限定顧客向けに出荷される予定だ。一般販売や量産開始の時期、容量、価格は公表されていないため、直ちに調達可能な製品とみなすことはできない。

最大1億IOPSを目指す次世代SSDについても、2028年という開発計画と、XL-FLASH第3世代およびPCIe 7.0を採用する方向性が示された段階にある。容量、フォームファクター、消費電力、冷却方式、ランダムライト性能などの詳しい仕様は今後の発表を待つ必要がある。

AIインフラの設計担当者にとって、GP1はフラッシュメモリをGPUから利用する新しい階層を評価するための最初の選択肢となる。1億IOPS級の製品については、PCIe 7.0対応サーバーや周辺部品、ソフトウェアがそろう時期を含め、中長期の技術計画として捉えるのが適切だ。

元記事: Kioxia Slips 100M IOPS Flash Drive to 2028; PCIe 7.0 Ecosystem Sets 2028 Clock

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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