職人気質と細かいアフターフォローで人気の工務店に立ちはだかる厳しい現実

2019年4月4日 09:27

多くの人は一生の内にそう何度も住宅を購入するような機会はないだろう。つまり、初めての経験の中で、ベストな選択を求められるのだ

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 「マイホームを建てたい」そう思ったとき、最初に考えなければいけないのは、どの住宅業者に建築を依頼するかだ。注文住宅を建てる際、住宅業者は施主の大切なパートナーとなる。住宅業者の選定は、満足度の高い住宅を得られるかどうかの分かれ道なのだ。

 デザイン性の高い住宅を得意とする業者、見た目のデザインよりも機能性や安全性を重視する業者、最新設備を次々に導入しようとする業者などなど、同じ土地に家を建てるにしても、注文する住宅業者によって、その様相は大きく変わる。

 しかし、多くの人は一生の内にそう何度も住宅を購入するような機会はないだろう。つまり、初めての経験の中で、ベストな選択を求められるのだ。

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 そこで今、注目されているのが地域ビルダー、いわゆる「工務店」だ。現在、日本で供給されている住宅の約7割以上は、地域の工務店が請け負っているといわれている。

 大手ハウスメーカーは工業化(プレハブ)や建築資材の一部を規格化することで、高品質の住宅を安定して供給できる一方、全国規模で展開して数を売らねばならず、広告費や展示場、事業所などの建設費や運営費、維持費、営業マンの人件費などに多額の経費が投入されるため、結果的に高級住宅路線になりがちだ。

 それに対して使い慣れた資材を独自のルートで仕入れたり、施工の効率化を図ることでコストを下げる努力をしている工務店も多い。品質の面でも、職人気質の業者が多く、むしろそのプライドにかけて取り組んでいる。そもそも、工務店は地域に密着した商売だから、地元での評判を落とすような手抜き行為などができるわけがない。

 また、最近は大手メーカーのマニュアル化された対応ではなく、地域に根付いた工務店だからこそ、売った後、建てた後のアフターサービスにまで細かく親身に対応してくれる工務店も増えており、口コミやSNSなどを中心に工務店人気がじわじわ高まっているのだ。

 ところが、工務店や地域ビルダーを取り巻く環境は厳しい。人口の減少や少子高齢化などに起因して、住宅着工数が全国的に減少傾向にあることに加え、大工の数が自体がどんどん減っているのだ。総務省の国勢調査によると、日本の大工人口は、2010年から2030年までの間に、なんと約半数にまで減ってしまうことが予測されている。

 このままではいつか、腕の良い大工が日本からいなくなってしまうかもしれない。さらに、暮らし方や住まい手のニーズも多様化しており、それらに対応しつつ経営を維持することは、大手メーカーのような資本を持たない工務店のような小規模企業には困難になってきているのが現状だ。

 そんな中、現状を悲観するだけでなく、工務店同士の結束を固めることで経営力を強化しようとする動きも現れ始めた。例えば、株式会社アキュラホームと同社が主催する工務店ネットワークのジャーブネットでは、同社創業40年、ジャーブネット発足25年の間に培ってきた経営の原理原則と、経営戦略についての実践成功ノウハウを既存の工務店や次世代を担う経営者に伝える全国キャラバンを4月10日から始動させる。

 同社は「住宅供給の大半を担う工務店・ビルダーが変われば、日本の家づくりが良くなる」との考えのもと、このキャラバンを展開するとしているが、確かに地域に根ざした工務店やビルダーが安定した経営基盤を築くことができれば、住まい手にもその利益は還元されることになるだろう。ひいては、日本の住環境全体の向上にもつながるかもしれない。(編集担当:藤原伊織)

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